90億の神の御名

この世界のほんの些細なこと

おやつ

ありのままで

ものすごくまずいお土産を買ってくることに定評のある主任が最近おとなしかった。ここ最近では海外旅行よりも国内のマラソン大会に夢中だったようで、100キロマラソンに出るとか浮き浮きしていたり毎年参加している沖縄マラソンに落選したと言ってしょんぼり…

万障お詰め合わせ

土曜日、かえる姉さんと大学ラグビー決勝を見に行ったら隣の席の老夫婦から可愛らしいお菓子の詰め合わせを2つ頂く。それで姉さんと「子ども会とかでよくこういうのもらったよね」とか言いながら、懐かしい味のクッキーをもそもそ食べた。 なんだかすごくク…

いとをかし

冬はつとめて。雪の降りたるはいふべきにもあらず。 霜のいと白きも、またさらでも、いと寒きに、火などいそぎおこして、炭もてわたるもいとつきづきし。 清少納言「枕草子」 今日もまた雪で、先週存分に堪能したからもうそんなにはしゃがない、と思いつつも…

私、なんだか

私何だか死なないような気がするんですよ―心とからだについての282の知恵作者: 宇野千代出版社/メーカー: 海竜社発売日: 1995/12メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る「私、何だか死なないような気がするんですよ」という、宇野千代の有名な言…

煮豆の思ひ出

中学3年の頃、初めて塾の冬期講習というものに通った。塾に通うなんて、受験生っぽいわー!朝から晩まで勉強なんて受験生っぽいわー!と呑気にトキめきながら。 理科の問題文の「鉢植え大根」という言葉に気をとられ「鉢植え大根てことは、鉢はものすごく長…

ゼロ・グラビティ

メリー・ポピンズに出てくるアルバートおじさんは大の笑い上戸で、笑い出すと体が宙に浮いてしまう。 楽しくていいかと思いきや、「前回なんて3日も天井から降りることができなかったんだ、これはシリアスな問題だ」とバートが言う。とは言えすぐに一緒にな…

やきもちやき

向田邦子脚本のドラマ「阿修羅のごとく」 NHKドラマの八千草薫や加藤治子が出ているものは見たことがないが、大竹しのぶや黒木瞳が出演している森田芳光監督の映画は見た。映画の冒頭は次女、黒木瞳の家に四姉妹が集まる所から始まる。ちょうど鏡開きの時期…

Fat Bottomed Girls

給食のアルマイトのお皿の上にしどけなく横たわるいかめしを見て、多感な年頃のわたくしはドギマギしておりました。 おおお、なんとむちむちセクシーバディ。いかめしってとってもボディコンシャス。鼻血が出そう。だから、俵万智が「サラダ記念日」の中で「…

解体新書

ハロウィンに、この黒猫ケーキを家族みんなで食べた時、私はまず、耳のチョコレート板から食べた。 マイペースな上の弟は器用にも目を剥がして食べた。下の弟夫妻は大胆に眉間から斬りかかった。 お嫁さんたちもいる、こんな時の母はいつも以上に女子力的な…

小さな冒険

鳥は卵の中から抜け出ようと戦う。 卵は世界だ。 生まれようと欲するものは、一つの世界を破壊しなければならない。 鳥は神に向かって飛ぶ。神の名はアプラクサスという。 ヘルマン・ヘッセ「デミアン」 ・・・ってほど、おおげさな話でもないのだけれど。小学…

餡の秘密結社

アンコニスタ=アンクラスタ・アンコスキー(生年不詳)配偶者:ツブアンヌ あんこの普及活動にその生涯を捧げた。餡の秘密結社主宰。・・・とでも名付ければいいか。この胸の内に棲みついた、餡の伝道者に。 写真はリムスキー・コルサコフ。なんとなく頭に思い…

~し続ける

~し続ける:keep ~ing、to continue ~ing 頻出イディオムにこんなのがあったっけ。一つの事を黙々とやり続ける、という事に子どもの頃から強い憧れがあった。 きれいに編んだ駕籠や鍋敷きを見れば、編み目を辿りながら「こういう事をして一生暮らしたいな…

内緒のあんこ

一昨日、生協からこれが届いた。ふふふふふ。 どーん。富士には月見草がよく似合う。 あんこには夜更けの内緒話がよく似合う・・・気がする。 昔、父が出張で居ない日や帰りの遅い冬の夜更けに、時々母が「ねえ、おしるこ食べない?」と戸棚からゆであずきの缶…

自分の言葉

かの大江健三郎は、大学受験に失敗した事を母親に報告する際に井伏鱒二の小説「山椒魚」の台詞を引用して「なんたる失策!」と言ったところ「こんな時くらい自分の言葉で話せないのか!」と叱られたと言う。そのエピソードに大笑いしてから、私と母の間では…

安くてくさくておいしいもの

「こわくて、くさくて、おいしいもの、なあに?」 このナゾナゾはなんどやってもおもしろいので、トットちゃんたちは、答えを知ってるのに、 「ねえ、“こわくて”っていう、あのナゾナゾ、出して?」 と、おたがいに出しあっては、よろこんだ。答えは、 「鬼が…

知恵の木の実

それを食べると、あなたがたの目が開け、神のように善悪を知る者となることを、神は知っておられるのです。 旧約聖書 創世記 第三章五節 外国の本や映画で、無邪気にリンゴを丸かじりしてはポイと捨てるシーンに遭遇する度に、その無邪気さに憧れ、羨ましく…

受け入れる男

年の離れた弟二人は年子で、身内から見ればまるで違う顔に見えるが、他人から見ると双子のようにそっくりらしい。それで幼い頃は大きさのみで二人を区別し「たまごちゃん」と「うずらちゃん」と人から呼ばれていた。もちろんたまごが長男、うずらが次男。命…

見よ、勇者は帰りぬ

うちのチームの主任は永遠の5歳児。好きな食べ物はカレー、好きな動物はパンダ、好きなアイスはあずきバーと「ガツンとグレープフルーツ」、趣味はマラソンと陶芸とバックパッカーの旅。買ってくるお土産は大体まずい。 お盆前に「ものすごくまずいお土産を…

十万石

会社で毎月1回、震災復興支援の物産展が開かれる。昨日は福島物産展だったのでままどおるを買ってきた。おいしいおいしい!と上機嫌で包み紙を眺めていたら、製造会社名を見つけた。「三万石」 それで更ににんまりするのだ。「勝ったぜ!」と。中学生の時に…

夢の飲み物

15歳の春、京都・奈良への修学旅行を間近に控えた教室で、大切な秘密のように語られていたのは、冷やしあめという飲み物について。 「京都には冷やしあめっていう飲み物があるんだって」 「あめなのに飲み物なの?」 「すごく美味しいらしい。べっこう飴の味…

美味しうございました

京都の営業さんが阿闍梨餅を手土産に本社に来てくれた。これ、大好き。この前、奈良の帰りにも買おうかと思ったけれど、大人気なのか「本日分は売り切れ」になっていた。 なんてもちもち!美味しさのあまり、食べ終わってから浮かれて「おいしゅうございまし…

ビター&スイート

ちょっと前まで世の中は「きのこたけのこ戦争」とか言って大騒ぎしていた。私はたけのこの山が好きだけれど、正直他の人がどうだっていいじゃない。たけのこ派が少数なら「大勢に流されない俺、イケてる!」って思ってればいいじゃない。・・・ということを突然…

風林火山

会社で、昨日のお土産の「伊豆の踊り子」まんじゅうを配り、みんなに「ありがとう、ありがとう」と言われる中、私はこっそりムフムフしていた。 いいのよ、みんな、たんとお上がりなさい。私はね、私はね、家に信玄餅を隠しもっているのよ!!信玄餅。 なぜ…

可愛げ

弟の奥さんがバレンタインデーに父にくれたというゴンチャロフのチョコレート。 猫の手の形をした入れ物に入っていて、中身も全部猫の描かれていてとても可愛らしい。 きっと「お義父さん、猫が好きだから」と選んでくれたんだろう。 なんと、可愛げのある子…

小姑の誓い

その昔、「ぬくぬく」という絵本が好きだった。 腰に山芋を挿した、ぬくぬくという名のちょっと間抜けな妖怪が「ぬくぬく、ぬくぬく」って言いながら山の中を歩くのね。 そんな、ぬくぬくみたいに言いたくなるのね。 「むちむち!むちむち!」って。弟の奥さ…