90億の神の御名

この世界のほんの些細なこと

渡る世間

ブーランジェだのブーランジェリーだの、最近のパン屋はなんなの?どうなの?
パン屋じゃダメか!ベーカリーではダメなのか!
wikipediaによると「ブーランジェ」とはフランス語圏の姓であり、原義はパン職人、との事だ。
カーペンターズみたいなものか。「大工の源さん」みたいな感じか。
そしてブーランジェリー、とはフランス語でパン屋さんの事だそうです。
・・・わざわざフランス語で「ブーランジェ」と名乗るので、よっぽど気取った店かと思って入った、となり町の「ブーランジェボン」

店内には、よれよれのスウェットを着た、疲れて老け込んだ角野卓三のような男の人が立っており、ぼそぼそと「いらっしゃいませ」と言ってくれる。
店の奥にはどこか閑散とした厨房があり、テーブルの上には帰り支度と思しきお弁当と水筒がまとめられている。その後ろの棚には山のように突っ込まれた新聞紙。そして床には粉にまみれた業務用製粉機がひっそりと置かれている。

・・・これは・・・嫁が無理矢理「ブーランジェ」とか付けちゃったのかな。おじさんは「オレやだよ!」とか角野卓三みたいに言ったのかな。
夕飯はいつも店の売れ残りのパンだったりするのかな。アルバイトの女の子は、おかみさんと出かけちゃったのかな・・・。

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ブーランジェボン(横浜市青葉区市が尾町) クリームパン 105円
パン:ちょっと固めのパン
クリーム:もったりしたカスタードクリーム

渡る世間は鬼ばかり」の音楽が脳内を駆け巡る中、とても小ぶりなクリームパンを食べた。ちょっと小さすぎやしないか、と思ったけど、幸楽も経営が大変なんだろう、仕方ない。あ、幸楽じゃなくて、ブーランジェボン。パン職人の店。