90億の神の御名

この世界のほんの些細なこと

風林火山

会社で、昨日のお土産の「伊豆の踊り子」まんじゅうを配り、みんなに「ありがとう、ありがとう」と言われる中、私はこっそりムフムフしていた。
いいのよ、みんな、たんとお上がりなさい。私はね、私はね、家に信玄餅を隠しもっているのよ!!

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信玄餅
なぜこんなにトキめいてしまうかって、まずはこの風呂敷に包まれている所でしょうね。
以前、友人たちと信玄餅の魅力について、うっとりしながら語り合っていた所、島根県出身の男の子が「なんですか、それ」と言うので驚いた。
え?え?信玄餅って全国区じゃないの?
それで一生懸命「きなこのいっぱいついたお餅が3つ入ってて黒蜜がついてて風呂敷に包まれているんだよ」と説明したら、彼は「あ!そういうの僕の地元の方にもあります。同じようにきなこ餅が3つ入っていて、梨蜜がついているんです。大風呂敷って名前なんです」と言う。
な!梨蜜!そして大風呂敷というネーミング!!!
買ってこい!次に帰省したなら大風呂敷持って帰って来い!、と厳命し、買ってきてもらったのも今は昔。


さて、信玄餅について語り合う時に必ず問題になるのはその食し方の礼儀作法についてだ。
私は風呂敷を丁寧に外した後に、蓋の凹み部分によって作られた黒蜜ポケットに黒蜜を流しこみ、なるべくきなこを零さぬようにそうっと黒蜜と混ぜてから食す派だが、ある友人は黒蜜は使わず、きなこのみで侘び寂びを感じながら食すと言う。
また、中には風呂敷の上に全てをあけてよく混ぜて食すという、益荒男振りを発揮する者もいた。
しかし、昨日初めて知ったのだが、販売元ききょうやの公式アナウンスによると、餅を一つ持ち上げてその隙間に黒蜜を流しこんでお召し上がり下さいとの事だった。
それが公式な「信玄餅の食し方」だったのか!!

それで、今日は公式ルールに則って信玄餅を食すことにする。
そうっと蓋を外して思うことは、どの食べ方をするにしても、信玄餅を前にした時に一番大事な事は、決して笑ったりくしゃみをしてはいけない、ということだ。きなこが飛んで大惨事に発展しかねない。

床に座し、緊張の面持ちでそっとお餅を持ち上げて黒蜜を流し込んでいると、余計な妄想をするものだ。
万が一、外国人に信玄餅を薦める機会があるならば、「これを食べる時には決して笑ったり騒いだりしてはならぬ。」とよくよく教えこまなければならないな。
外国人達はきっと「オオウ、サムライ!ブシドー!ニンジャマスター!!」と驚くことであろう。
私はしたり顔で信玄の風林火山について説明してやるのだろう。
そしてまんべんなく黒蜜をまぶした信玄餅を口に運んで、にまーっと笑うのであろう。
もちろん口は閉じたままで。ここ超重要!
徐(しず)かなること林の如しなのだよ、諸君。