90億の神の御名

この世界のほんの些細なこと

ヨネスケスキル

「突撃!隣の晩ごはん」も気付けば放送終了していたのだな。全く知らなかった。
今でもヨネスケは大きなしゃもじを背に全国のご家庭を走り回っているのだと思っていた。
「あんな風に急にテレビに来られたら困るよね!」と友達同士で、ヨネスケが来た場合のことを勝手に想定してあれこれと話し合ったりもしたけれど、今にして思えば、訪問するヨネスケも相当大変だった事であろう。
知らない家をアポなしで訪問して家に上がりこみ、冷蔵庫を漁り、ご飯を勝手に食べるという無礼千万な行為を、相手と視聴者に楽しんでもらいながら行わなければならないのだ。
なんという高等技術。

「突撃!隣の晩ごはん」で今でも忘れられないのは、ヨネスケが、物が散らかりっぱなしの家を訪問し、冷蔵庫を勝手にあけてハムを食べたことだ。
その家ではスチロールトレイのラップに穴をあけて使用した残りのハムを蓋もしないでそのまま冷蔵庫に突っ込んで保存していた。更に賞味期限もギリギリだったように思う。
そのハムをヨネスケは「あらあら、お母さん、大胆なしまい方~」とかなんとか言いながら躊躇なく口に入れたのだ。
あの時初めて、ヨネスケも色々大変なんだろうなと思った。

昔から、よその家のお母さんのご飯を頂くことがあると、大抵は美味しいのだけれど、ごくたまに、あれ?というご飯があった。
まずいとかって事じゃないのだ。なんだろう、全てに冷蔵庫の匂いみたいなものがするのだ。
もしかしたら自分の家もそうかもしれない。でも、自分の家は平気でもよその家の匂いはとても気になってしまう。
そういうお家は大抵物が散らかりっぱなしで、お皿ごと冷蔵庫に入れていた残りのおかずをそのままテーブルに出してくるような家庭だった。
それはそれで各家庭の方式だからいいのだけれど、私はああやって出される煮豆やたくあんがどうも苦手で、あの匂いのせいで、全てが同じ味に感じられた。

きっとあの家のハムもそんな匂いがしたんじゃないかと思う。おまけにラップも開けっ放しのまま冷蔵庫に入っていたのだから、ちょっと乾いたハムだったんじゃないかと思う。
それでもためらいなく食べるヨネスケ。あれをプロ根性と呼ばずして何と呼べばいいのだろう。

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olympic百合ケ丘店 手包み生乳クリームパン 120円
パン:バニラ香料の強いパン
クリーム:くせのない普通のクリーム
☆☆☆

見知らぬスーパーマーケットを初めて訪れる時も、なんとなく、よその家のお台所にいるようなアウェー感がする。そしてそこにある「手作りクリームパン」もなんとなく、あのアウェーな匂いがするんじゃないかと一瞬気が引ける。
クリームよりもパンの方が香料が強い、というクリームパンに恐る恐る口をつける時、ヨネスケのスキルの高さを今更再確認する私であった。


ところでヨネスケは最近どうしているのだろう・・・。

ごはん―『突撃!隣の晩ごはん』はあなたに幸福をもたらす!

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