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90億の神の御名

この世界のほんの些細なこと

山笑う

春の山の草木が一斉に若芽を吹いて、明るい感じになる様子を「山笑う」と言うのだそうで、初めてこの言葉を習った高校生の時から、春になる度に「すごい言葉だな」と、しみじみと噛み締めた
今日は、そんな山笑う季節の山に行ってきた。西丹沢の不老山。

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吊り橋を渡って山に入ると、山はありとあらゆる緑色で溢れていて、「なんと美しい!」と鼻血が出そうな程興奮する。
色が上手に出なかったけれど、山藤も美しく咲き誇っていた。

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標高1000mにも満たない地味な山だから、ほとんど人もおらず、こんなに美しい景色も鳥の声も独り占めにして歩く。
頭上ではうぐいすが懸命に発生練習中だ。
聞いた話によると、あれはオスのうぐいすが求婚のためにメスに向かって鳴くのだそうで、うぐいすの世界では、あの鳴き声が見事な者がモテ男子らしい。
モテ男子を目指して必死に練習するものの、まだ下手クソで「ホーホケキコケ!」みたいになってしばらく黙りこむうぐいすもいれば、大人の余裕か、みのもんたのようにタメが大きく「ホーーーーーーーーーーーーーーーーホケキョ!」といううぐいすもいる。

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すばしこい鳥なので、姿は全く見えないが、あまりに近くでいい声で歌われると、まるで求婚されたような気になって
「まあ!いくら私が以前ウグイス嬢だったからって!いけませんわ!決して結ばれない運命のわたくし達ですわ!」と気持ちの悪い一人芝居を脳内で絶賛上演しながら山道を歩く。
今日のうぐいすは随分お上手で「ホーーーーホケキョ!ケキョケキョケキョケキョケキョケキョケキョケキョケキョケキョ・・・」とコロラトゥーラを効かせてくるので、この歌声にメロメロにされるうぐいす女子の気持ちを理解した。

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けれど、家に帰ってから調べたら、あれは別に求婚ではないのですってね。
wikipediaによると、『ホーホケキョ」が接近する他の鳥に対する縄張り宣言、「ケキョケキョケキョ」が侵入した者への威嚇である』んですってね。
つまり私はただ単に「俺の山に何しに来たんだ」って言われてただけなのね。うぐいすに。
きっとあのうぐいすたちは思っていたんだろう。
「マジ、勘違いさせちゃったみたいで悪いんだけど、出てってもらえるかな?」「てか、普通勘違いしなくね?」くらいのこと思ってたんだろう。あーあーあー。
緑萌え、山笑う季節。山はきっと別の意味でも笑ってただろう。
「ちょっと、この人うぐいすに求婚された気になってるけどwww」って・・・。


4月は花粉症の為に山歩きをお休みしていたけれど、今日、新緑の中を歩けて本当に気持よかった。
また、人の少ない地味山歩きをしよう。これからは、もう絶対にうぐいすにも騙されないんだから!