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90億の神の御名

この世界のほんの些細なこと

クリームパンについて語るときに僕の語ること

村上春樹ヤクルトスワローズファンで尚且つ土橋のファンだったそうだ。ああいう玄人気質の選手が好きなんだな、わかる気がする。そして、守備ではおそらく内野の司令塔、セカンドが好きなのだと思う。文章の中に時々二塁手が登場するのだ。

1Q84」の中にも
「『バーニー・ビガードは天才的な二塁手のように美しくプレイをする』と彼女はあるとき言った。『ソロも素敵だけど、彼の美質がもっともよくあらわれるのは人の裏にまわったときの演奏なの。すごくむずかしいことを、なんでもないことのようにやってのける。その進化は注意深いリスナーにしかわからない。』」
という描写があるし、「意味がなければスイングはない」の中には
シダー・ウォルトンは(中略)多くのジャズ・ファンの熱い注目を浴びるような機会は、これまでのところ一度もなかった。野球選手でいえば、パシフィック・リーグの下位チームで6番を打っている二塁手みたいなものだ。」と書かれている。
また、二塁手ではないが、エッセイ集の中には、小説を書こうと思ったきっかけについて、
「1978年4月1日の午後、ヤクルトVS広島戦の開幕ゲームを神宮球場で観戦し、一回裏、ヒルトン外野手がレフト線にヒットを放ち二塁に到達したその瞬間に、小説を書いてみようと思い立った」というエピソードが書かれている。運命の二塁打。運命のセカンドベース。

他にも二塁手について語られている作品がなかったか、とゴールデンウィークの朝から「ダンス・ダンス・ダンス」を読み返してみたが、特に二塁手についての描写はなく、代わりに途方もなくピナコラーダが飲みたくなった。

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BOUTIQUE TROISGROS クリームパン 180円
パン:香りがいい
クリーム:久々にちゃんとしたカスタードクリームを食べたなと思った。
☆☆☆☆☆

それはさておき、こういう風に外国人シェフの名前を冠したベーカリーのパンは大概、難しいゴロを捌いた後の遊撃手みたいな得意げな顔をして、「どうだ、俺のパンは。美味いだろう、そうか、驚きすぎて声も出ないか」と挑みかかってくるものだけれど、ここのクリームパンは違った。堅実なプレーを褒められた時に「当たり前の事を当たり前にやってるだけですから」とニコリともせずに言う二塁手のようだった。
基本に忠実で余計な飾りも香料も派手さもないけれど確実に一段階レベルが上の、プロのクリームパン。
久々にちゃんとしたカスタードクリームを食べたと思った。
悪くない。
と、村上春樹の小説の登場人物のように言う事のできるクリームパンは世の中にそれ程多くないのだ。
今の野球界に名手と呼べる二塁手がほとんどいないようにね。

走ることについて語るときに僕の語ること

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意味がなければスイングはない (文春文庫)

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