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90億の神の御名

この世界のほんの些細なこと

最終兵器ジブリ

よしながふみの「1限めはやる気の民法」というマンガの中に、司法試験合格を目指して勉強していたエリート学生が、ある日夜中に裸足で家を飛び出し、やっと見つけたらすっかり精神が壊れてしまっていたというエピソードがあった。
精神の壊れた彼は、見舞いに来た後輩に満面の笑みで繰り返す。
「ナウシカの話をしよう!」
明らかにヤバい。ゾッとする程ヤバい。こんなにも「精神が壊れている」ことを簡潔に、完璧に伝える台詞があるだろうか。

以前、10年ほど劇団に勤めていた。ああいう所はまあ、ブラック企業と言えばブラックだ。ワンマン経営で、休みも少ないし「君たち好きでこの仕事やってんでしょ?」と上からもお客様からも思われているお仕事だ。
おかげで疲れ果てた人たちが社内に溢れていた。流行りの話題は腸炎。皆の口癖は「フランダースの犬」のネロの台詞、「僕、もう疲れたよ」
入社当時、そんな先輩たちから真面目な顔で教えられたことがある。
「僕、もう疲れたよ」というネロは初期段階に過ぎず、心配など必要ない。もう少し疲れると千代の富士が出る。「体力の限界です!」っていうアレね。最終形態はジブリジブリが出たらヤバイから。

そうか・・・ジブリか・・・。
確かに、朝、出社したら徹夜続きの先輩が座布団を抱えて「ランランララランランラン」とナウシカ・レクイエムを歌っていたあの姿はとても恐ろしかった。
業者によるシステム改修後にパソコンが正常稼働しなくなり、毎日早朝から深夜まで後始末に追われた日々、最初は怒りに震えていた自分が、最後には同僚達と「頑張って働かないと湯婆婆に豚にされちゃうもんね☆」と微笑みあっていた事も、今思い出すと恐ろしい。

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ラ ・ブランジュリ キィニョン渋谷ヒカリエShinQs店 クリームパン 160円
パン:普通
クリーム:卵と粉とバニラ香料が強い
☆☆

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クリームパンを両手で持って「カルシファーに似てるー!!!」「おいら火薬の火は嫌いだよ、奴らには礼儀ってものがないからね!」と一人でジブリごっこしたけれど、そんなには疲れていない。大丈夫。ただジブリ気分だっただけなのよ。
休憩室のソファに一人座って、ジブリごっこしては、うふうふ笑ってる私の姿がどんなに狂気的に見えようと。