90億の神の御名

この世界のほんの些細なこと

時の流れに身をまかせ

子供の頃は、60代で亡くなった方に対して大人が「まだお若いのに・・・」と悲痛そうに口にするのを聞く度に「いやいや、若くないでしょ?」と思っていたが、いつの間にか自分もそんな話を聞くと「え!!お若いのに!!」とショックを受けてしまうようになった。

昔はジブリの「魔女の宅急便」を主人公キキの気持ちに寄り添いながら見た。少し大きくなったら、今度はキキの良きアドバイザー、ウルスラの立場に寄り添うようになり、今や、キキの両親の気持ちになって、旅立ちのシーンでもう涙ぐんでしまう。

先日の弟の結婚式に、弟がまだ小さかった頃のお友達も来てくれたが、口から出るのは「あら○○くん!大きくなって!」「まあ、立派になって!」という、近所のおばちゃんみたいな感想ばかりだ。
HONDAのアシモをCMやニュースで見たって、やっぱり近所のおばちゃんのように、「立つのもやっとだったあの子が走れるようになって!」「もうお茶も出せるんですって。まあ、ご立派になって」と、前掛けで涙を拭くくらいに感慨深い。

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それは野球を見ていても同じで、子供の頃は高校球児が、ものすごく身体の大きくてゴツいお兄さんに見えた。高校生の頃は「うわー、よくやるよね、あの人達。信じられないわー。てか、高校球児って同い年なのになんでみんなあんなにおっさんぽいの?」と否定的だった。20代の頃に松坂くんを見てカッコいいわーと思った。30代になって駒大苫小牧高校の優勝の頃には「可愛い!」と言うようになった。
そして今。
高校野球から見てきた子がプロになって頑張っているのを見たら、「あの子が!」「立派に成長して!!」と感無量なのであります。

一昨日、横浜スタジアムベイスターズとライオンズの試合を見に行ってきた。
菊池雄星くんの先発試合を生で見るのは始めてだったのだけれど、カッコよかった!身体も随分大きくなった。
荒波くん、涌井くんといった横浜高校出身の子や、横浜創学館高校出身の秋山くんを、夏大会の地、横浜スタジアムで見ると、やっぱりぐっと来るものがある。
そして、木村くんのプロ初ホームラン。

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インタビュー聞きながら、「あの子が大きくなって・・・」と泣きそうになってしまった。
時の流れに身をまかせているうちに、少しずつものを見る角度が変わって、おばちゃんポジションになった。その間に彼らはまたどんどんどんどんご立派になっていくんだろうな、と思うと、少しだけ置いて行かれるような寂しい気持ちにもなるものね。