90億の神の御名

この世界のほんの些細なこと

大人の本気

昨日は会社の近くの商業施設でちょっとしたお祭りがあった。会社というのも色々ご近所付き合いがあるもので、毎年、このお祭りでは近隣の会社数社と町内会による大縄跳び大会が開催される。
そのため、社内に「参加者募集」の告知が来るわけだけど、まあ、そんなの大概無視ですよ。私、もともと協調性のある方じゃないし、「みんなで頑張ろう!」的なノリも苦手だし、余計な目立ち方したくないし。
…と、思っていたのだが、あれよあれよという間に出場することになってしまった。

え、ちょっと、マジで?本気で?
「優勝したら、ランチ券もらえるんだって!頑張ろうね!」と、にこにこ笑う同僚に「あ、うん」と答えながら内心、どうやって断ろうかと考えていた。
総務課から参加者決定だの、当日の段取りだののメールが来るたびに、「ええ?ちょっと待って、そんなにも本気で挑むもの?」と震え上がった。
ああ、もう、お腹痛くなっちゃおうかな、当日、雨降らないかな、と、学生時代の球技大会前のようにくよくよもしたけど、もう腹をくくるしかない。
ここは大人として腹をくくろう、例え恥をかくことになろうとも、それなりに楽しく頑張るのがまあ、大人の度量ってやつよね。
6月の蟹座さんは、勇気を出して自分の殻を破ってみてって占いにも書いてあったしね。こうなったらもう、やりましょう、やりますとも。

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それで夜、家で密かにジャンプしては10回くらいでゼエゼエと息を切らし、「でもまあ、大人の大縄跳び大会なんて、10回飛ぶ程度よね」なんて思いながら当日を迎えたのだが、世の大人たちはもっと真剣であった。
週始めから、終業後に練習をしていた近所の会社の方々は、揃いのポロシャツに応援部隊付きで出場。聞けば昨年の覇者で、60回飛んだという。60!…マジか!いやいや、無理でしょう、と言いながらみんなで練習。20回くらいで息切れして笑われる。

「練習で飛べたのが19回だから、40回を目指して飛ぼうね」と挑んだ本番では24回で、予選の時点で50回飛んでいる昨年の覇者には遠く及ばず、予選敗退。
参加者には会社からビールが振舞われ、課長からも食べ物を差し入れしてもらってみんなで乾杯。

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金曜日ということもあって、お祭り会場には終業後の会社員たちが続々と集まってきて、楽しそうに大笑いをしている。
そんな姿や、興奮気味に「来年も絶対出ようね!」「今度はもっと前からちゃんと練習しようよ」と話し合う同僚達を見ていたら、「大人の方が楽しむことに真剣なものだよな、あんなにくよくよ、どうしようかと思い悩むことなかったなあ」と、今更大発見のように思った。