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90億の神の御名

この世界のほんの些細なこと

成り上がり

これは江戸城ですが。

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かつて、冷暖房完備の大阪城を訪れた際、これが復元されたコンクリート製の城であることも、当時は冷暖房なんてあるはずがないことも十分承知はしているが、それでもついつい思ってしまった。
「さすが、島耕作と並んでデキるビジネスマンモデルとされる男の城は違うわね・・・」
かの有名な冷えた草履を温めておく話だって、「常にお客様の事を考え、どうすれば喜んでいただけるか想像力を働かせる。それがワンランク上のサービスにつながるのです」という、現代のCS理念そのままですものね。そりゃあ成り上がるわ。

冬の寒い日、温めた草履をそっと差し出すのはワンランク上のサービス。
しかし、私は世の殿方達に言いたいのです。例えどんなに寒かろうとも、温もりを求めようとも、ズボンのポケットから出された「股の温もりを感じさせる小銭」は優しさでもワンランク上のサービスでもありませんよ、と。

学生時代、アルバイトをしていた中華料理屋に林隆三が来たことがある。林隆三は、あの低くいい声で言った。「餃子を一枚」
渋い!まるでバーボンロックでも注文するかのようにカッコいい餃子の頼み方だ。さすが俳優!・・・と浮かれたが、夢はレジで打ち砕かれた。隆三はズボンのポケットをジャラジャラ言わせて小銭を出したのだ。渋い俳優の股のぬくもり。全然嬉しくなかった。・・・なんだ、おっさんか、と幻滅した。

ですから世の男性方よ、小銭は小銭入れに入れてください。あの温もりは不要なのです。そしてもう一つ、これからの汗ばむ季節、尻ポケットの財布にもご注意頂きたいのです。尻の汗でびしょびしょに濡れた革財布から出された、しっとりとした五千円札。あのなめらかモイスチャーも不要なサービスなのよ、トラウマなのよ・・・。
温めた草履は出世につながれど、股の温もり及び尻の汗は出世にも成り上がりにもつながらないのです。
むしろ無礼討ちにするレベル。

成りあがり How to be BIG―矢沢永吉激論集 (角川文庫)

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