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90億の神の御名

この世界のほんの些細なこと

MOTTAINAI

泡沫

MOTTAINAI」これは2004年にノーベル平和賞を受賞したワンガリ・マータイさんが資源の有効利用を一言で表す国際語として提唱している言葉でございます。詳細はこちら。
MOTTAINAI もったいない モッタイナイ

別に資源の有効利用を目指したわけではなく、お客様に見栄を張りたいが為だけに、勤めていた劇団はドケチであった。文房具をもらうには総務に行かなければならないが、まず証拠の品を提出しなければいけない。「ファイルが壊れました」と差し出すと、ガムテープを貼って「まだ使えます」と返された。シャーペンの芯をもらいに行けば、ケースごとくれるかと思いきや「何本ですか?」と聞かれる。そして2本ほどつまんで帰って来るのだ。コピー機の前にはデカデカと「7枚以上はリソ!」と書かれていたし、そのリソグラフでさえ、失敗すれば「製版に20円かかってるんですよ!」と怒られる。B4の帳票を必要部分だけ切り取り、余白は綺麗に貼りあわせてもう一度B4サイズにして使用したし、新社屋を建ててお金がなくなったせいで、昼間は照明もエアコンも禁止だったりした。

本社や東京はそんな状況だったので、たまに福岡の劇場なんかに研修に行くと、華やかに飾り立てられた劇場の姿に「やだ、うちってお金あったの?なんかお金持ちっぽいじゃない!」と衝撃を受けた。

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転職して、もうあの貧乏生活からは開放されるかと思ったのに、バックパッカーの旅が趣味なだけあって主任がドケチだった。プラスチックのドキュメントボックスも、もう2年前から壊れているのに「もったいないじゃん」と言ってガムテープをバリバリ貼って使っている。おまけに、そのドキュメントボックスの中の間仕切りは、壊れて骨だけになったうちわだ。
「なんで、こんなの取っておくんですか!」とみんなに言われても「間仕切りに使えるからいいじゃん」と聞く耳を持たない。
そんな主任の下にいるので、なんとなくつられてもったいない気分になり、今日も壊れたクリアファイルをガムテープで修復した。クリアファイルが壊れたら捨てて新しいのを使うって生活、いつになったらできるんだろう、もう一生できないんじゃないか、と密かに思った。

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これは我が家の炊飯器。もう10年ほど使っているが、4年ほど前から蓋の閉まりが悪く、タイマー炊飯をかけて朝起きたら、蓋が開いてご飯がかぴかぴになっている状況が続いていた。それで、買い換えるべきかどうしようかと3日ほど思案した。しかし、ただ蓋が閉まらないだけのことでこれを捨てて、1万円かけるのはあまりにももったいないのではないか。悩んだ末にひらめいた。
そうだ!蓋を紐でくくればいいじゃない!なんと素晴らしいブレイクスルー!!
それが写真の紐の理由である。毎朝炊飯器を開ける時の贈り物気分よ。

来日した際に「もったいない」という言葉に感銘を受けたというマータイさん、どうですか、一時はエコノミックアニマルとさえ言われた私達のこのささやかな暮しぶりは。
「もったいない」という言葉も素敵ですが、「清貧」という美しい言葉もあるのですよ。ええ、むろん我々のことですとも。