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90億の神の御名

この世界のほんの些細なこと

太陽を追いかけて

旅・散歩 泡沫

週末、星を見ようと福島に出かけたけれど、雨が降って星は見えなかった。翌日、那須に寄って、水車の回るちょっとすてきなお店で名物だというすいとんを食べて帰路に。

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帰り際立ち寄った那須塩原の道の駅では、おじさんがギターをかき鳴らして心細げな高い声で「襟裳の春は何もない春です」と「襟裳岬」を歌っていた。
夏の気配を打ち消すように降り注ぐ雨の中、北海道とは全然関係ない見知らぬ街で不意にこんな歌を聞くと、やけに心にしみるものね。

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激しい雨の降る東北道から北関東道で関越に抜ける間、目の前の夕焼けの美しさに少しはしゃいだ。

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あのね、昨日、来る途中の電車の中で子どもに散々足を蹴られてね、腹が立って、その子どもに優しくできなかったの。だからダメなのかなあ。自分の行いが悪いから晴れてくれないのかなあ。
天気が悪くて星が見えないことが、自分の行いの悪さによるのではないかと自己嫌悪に陥っていたら、友人は大きな声で「はあ?なんでそんなこと考えんの?」と笑う。
「だってさ、晴れと雨と曇っていう3種類の天気のうち、晴れの時しか見えないんだぜ?3分の1の確率なんだから負けることの方が多いに決まってんじゃん。天気なんて自分の行いとは何も関係ないだろ?天気を自分で掴みに行けばいいだけのことじゃないか」

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天気を掴みに・・・!と唖然とする私に更に友人は力強く言う。
次は泊まる所も、行き先も決めずに日程だけ決めて、当日天気のいい方に行けばいい。今回みたいに日本列島全域、ダメなこともあるけど、大抵はどっか一箇所くらい晴れているはずだ。晴れを追いかければいい。

・・・なんと!なんと前向きで現実的なんだろうか、この人は。
最近じゃ仕事の話とポータルサイトに載ってるような話題しか口にしない、ただのおっさんになってしまったようで「この人つまんない男だったんだな」と密かに思っていたが、その、「どこにでもいるつまらない男」のいい所は、つまらないことでくよくよせず、現実に足の着いた逞しさのある所なんだな、と妙に感心した。当たり前の事にようやく気が付いた気がするけれど、人はそれぞれ担う所が違うから助け合えたりするものなんだな。

次は太陽を追いかけて星を見る。