90億の神の御名

この世界のほんの些細なこと

朱に交わる

子供の頃、父親に何気なく「お前、友達は選べよ」と言われてずいぶん腹が立った覚えがある。しかし、今思うとあれは私の性格をよく知っていたのだな、と思わなくもない。
すぐに。本当にすーーーーーーーーーーーーーーーぐ人に影響されて、あれいいな、これいいな、とふらふらしてしまうんだもの、わたくし。

あれは5歳くらいの頃、風邪をひいて小児科に連れて行ってもらったら、病院の入り口で少し年上の女の子が不二家の棒付きキャンディーを舐めていた。熱に浮かされながらも、あ!と思ったのだ。風邪をひいているので母はいつもより優しく、「何か食べたいものある?」と聞いてくれる。それでもじもじしながら「棒付きキャンディー」と答えたら母がにまっと笑って言った。
「あの子が食べていたからでしょう」
そう、その通り。恥ずかしくて俯いた。いざ手に入った棒付きキャンディーは、風邪をひいて味覚がおかしいこともあってか、そんなに美味しく感じられなかった。

父親はそうやって人に影響されたり人の食べてるものを欲しがるのはあさましいと言って怒った。だから口にしなかったけど、私はいつだって他の子のお弁当に入っていたキャラクター型のハッシュドポテトやCMで見たピザーラのピザにものすごく憧れていた。

こないだだって、本屋さんの前でどこかのお父さんが「お父さん、ケンタッキー食べたくなっちゃった」と言っているのを小耳に挟んだだけで私もついついケンタッキーが食べたくなって、図書館の帰りに寄ってしまった。
食べ物だけじゃなくて、はてなブログで他の人がどこかに行ったと書いていれば自分も行きたくなるし、このお料理を作ったと書いていれば自分も作りたくなるし、この映画が良かったと書いていれば見たくなる。写真が綺麗ならデジカメが欲しくなる。

どこかで「あさましいかなあ」とびくびくしつつ、それでもやっぱり、いいなあ、いいなあ、とふらふらする。

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昨日は会社帰りに図書館に寄って、ここ最近ブログの中で皆さんにお薦めしてもらった本をずらっと借りてきた。三浦しをんの「格闘する者に○」だけはまだ予約中。
読書の秋だわ。さあ、どこから読んでやろうか。テッテ的にやったるど!
・・・ここ最近、huluで「じゃりン子チエ」を毎日見ているもので、チエちゃんの口調で気合を入れる、流されやすい私なのです。