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90億の神の御名

この世界のほんの些細なこと

福袋の法則

中学高校時代、一番仲の良かった友達はシニカルな笑みをたたえて言っていた。
「期待すると裏切られる、これを福袋の法則と言う」
いたく感心して母に、それを教えてあげたら母はずいぶんムキになって答えた。
「そんなことない!そりゃあ千円程度の福袋にはあんまりいいもの入ってないけど、ちゃんといいものが入ってる福袋もあるのよ!」
…なんであの人、あんなにムキになってたんだろう。欲しかったのかしら、福袋。

ともあれ、中学生の私にとっては相当インパクトがあったのだろう、あの格言めいた言葉。

台風が直撃するから通勤できないかも、と首都圏は昨日から大騒ぎで、ホテルに泊まり込む人が出たり、「来れなかったらどうしよう〜」と、わくわくした声で相談し合う人がいたり。
私は呑気に「来るなら来い」と思っていた。そして「電車とまっちゃってー」と浮かれた声で言いながら朝からゆっくりカフェでコーヒーを飲んで出勤しようと思っていた。

明日は会社に遅れてもいい日、そう思うと起きられないもので、6時に起きる予定が7時に起きて、アワワと家を飛び出したら、風は強いものの空は快晴だった。
なーんだ、あんなに「10年に一度」とか言ってたのに…。これじゃカフェに立ち寄れないじゃないの…。
おまけに、みんな早めに出勤してしまったのか、電車もいつもより空いている。まあ、ラッキー、と言えばラッキーね…。
お茶をする時間を期待してたのに、福袋の法則ってヤツだなあ、と友達の言葉を思い出した。

…と思っていたら強風で電車が多摩川を渡れず、結局降りてお茶することに。

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願いが叶ったので、電車が止まってもイライラすることもなく、ラッキー!と笑顔で人混みをかき分けて駅前のモスバーガーへ。
会社に電話したら、出てくれた人は既に「ああ、無理?」と笑っていて、課長も楽しそうに「どうだ、どうだ、どんな具合だ。どこかでお茶してゆっくりしてから来なさいよ」と言ってくれて、これまたラッキーだなあ、と笑ってしまう。
みんな、なんだかんだ「非日常」を楽しんでいるのね。

期待すると裏切られてがっかりする、という福袋の法則。
今日のラッキーさは「いいものが入ってる高い福袋」だったのか、それとも、パンドラの箱のように、底に残っていた「希望」のせいかしら。