90億の神の御名

この世界のほんの些細なこと

弟たちへ

母の離婚再婚のおかげで、今の弟二人とは父親が違う。
いろいろ家庭裁判も経て母と、今の父の元に来たのは13歳の時。父はとてもいい人で、別け隔てなく接してくれたけれど、なにぶん思春期だったので気まずいことも気後れすることも多かった。
そんな時、まだ3歳や4歳だった弟達の無邪気さにずいぶん助けられた。あの子たちがいてくれたおかげで、割と楽に、自然な形で「家族」になっていけたんだと思う。だから弟達にはとても感謝しているし、その分姉バカになってしまう。

先日は上の弟、たまご氏の結婚式があり、白いタキシードを着てヴァージンロードを歩いてくる姿を見たら「立派になったなあ」と感無量で、弟でこれなのだから、お嫁さんのご家族の感慨たるや如何ばかりかと思ったら、お祖父様が号泣していたので私ももらい泣く。
披露宴で流れた「子供時代の写真」にも、ああ、そうだった、そうだった、ずいぶん大きくなったなあ、と胸が詰まって涙が出たし、お嫁さんの、お母様宛のお手紙には、お前は新婦側の親族か!というくらい泣いてしまった。

なにより、お嫁さんのお母様から「あの子は本当にのんびり屋だから、たまごさんじゃなきゃダメだったと思うの。ああいう、気が長くて待ってくれるタイプの男性じゃなかったら、結婚なんてとてもできていなかったと思うの」と言ってもらったら、「お嫁さんにもうちの弟で合っているんだな。弟も自分に本当に合った人を見つけたんだなあ」と嬉しくて、この日の私は、弟を育て上げた両親以上の涙を流した。

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披露宴の後、下の弟うずら夫妻の車で家まで送ってもらって、帰る道々、夫妻のいろんな話を聞いた。なんだかんだ、うずら氏は奥さんをとても可愛がっていて、奥さんものほほんと笑いながらもうずら氏を大事にして、締める所は締めていて、「ここもお似合いの夫婦ね、この子も自分に合う奥さんを見つけたんだなあ、良かった!」と改めて思った。

彼らとは別に、もう一人、20年以上離れて暮らしていた、両親ともに同じ弟がいる。つい2年程前に、私を探し出して会いに来てくれて再会した。その弟から先日連絡があって、「一緒になりたい人ができたから、今度彼女に会ってほしい」と言われ、昨日会ってきた。
おめでとう、と言いつつ「ああ、ついにあなたも結婚してしまうか。残るは私だけか」と寂しかったのだけれど、お嫁さんになる人はやっぱりふんわり可愛い人で、お似合いの人に出会えて良かったわねえ、と感慨深かった。

弟たちよ、3人そろってふんわりおっとり天然系の可愛らしいお嫁さんをもらって良かったわね。みんなそれぞれお似合いのご夫婦で、私はとても嬉しかった。
なるべく感じのいい小姑であるよう、努力しますので、どうかいつまでも仲良く幸せでありますように。