90億の神の御名

この世界のほんの些細なこと

絶対的晴れ男

森に雨が降り注ぐ音で目が覚めた。
昨日、山友達のおじさんとお姉さんと一緒に東篭ノ登山〜水の塔山に登り、それから池の平湿原を散策して、軽井沢に泊まった。
部屋の前はもう、こんな森で、夜はなんとなく怖くてすぐにカーテンを閉めてしまった。

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金曜日に弟に会った時、「明日は山に行くんだ」と言ったら「ええ?大丈夫?明日、雨なんでしょ?山はもっと降るでしょう?」と心配されたけれど、私は胸を張って答えた。
「大丈夫。連れて行ってくれるおじさんが絶対的晴れ男だから」

そうなのだ。おじさんの晴れ男具合と来たら、何か神様の弱味でも握っているんじゃないか、と思う程で、去年平標山に行った時も、登る寸前まで今にも雨が降り出しそうだったのに、歩いているうちにどんどん晴れてきて、紅葉し始めの美しい景色を見ることができた。
その後、宮ヶ瀬の鷹取山と仏果山に登った時など、朝は雨が降っていて、車の中で「30分待ってダメなら帰ろう」と相談していたのに、嘘みたいに綺麗に晴れた。
夏に北横岳に登った時も「午後から雨」の予報に怯えていたけれど、弱い雨に降られたのは、最後の20分だけで、私たちがロープウェイ駅に着いた途端に雨は、雷を伴う激しいものになった。

だから、普段「私って雨女だからさ」「晴れ女だよ」という発言を胡散臭く思いながら聞いていた私でさえも、おじさんに関しては「そういう事ってあるのねえ」と思わざるを得なくなったのだ。

行きの車の中、フロントガラスに大きな雨粒が落ちてくるのを見ながら、お姉さんは「これは無理じゃない?」と不安そうだったけれど、私はまるで心配していなかった。

もちろん、登山口の駐車場に着いてから雨は一滴も降らず、それどころか雲が晴れて、遠くの美しい景色も見えた。

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こうなると贅沢になるもので「日差しが欲しいよね」「明日も晴れて欲しいね」と言っていたけれど、さすがにそれは無理だった。昨日おじさんが何度も「なんとかね、今日だけでも雨が降らないでいてくれればね」と繰り返していたので、昨日の天気に全てのエネルギーを費やしてしまったのかもしれない。

それでも、実はまだ、この後、雨は止むんじゃないかしら、なんて信じてる。
だって、おじさんは本物の晴れ男なんだもの!