90億の神の御名

この世界のほんの些細なこと

夢を叶える手帳

世間ではよく「手帳に夢や目標を書くと、それだけで夢が叶う」なんて言うけれど、思うにこれは、何か魔法が起きて宝くじが当たる、とか、曲がり角で王子様と出会う、とか、そういう事で夢が叶うんじゃないんだと思う。手帳に書いて、いつも見ているから自分の中で優先順位が決まって、一つづつ案件を片付けるように、クリアすることに向けて自分が動くんだと思う。

だから私も、手帳に「どこ行きたい」「あれがしたい」「冷蔵庫買い換えたい」と書いたことは大抵叶えてきた。
今年の始まりに手帳に書いた目標のひとつは「あるものを活用する、物を減らす」

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この時期、大抵一度は白菜を漬けたくなる。ゆずが入っていてあまりしょっぱくないもの。市販品みたいに薬くさくないもの。
しかし漬物石がない。一時、バネ式の漬物器を持っていたが、あまり出番がないので「物を減らそう」と処分してしまった。
目標を達成したと言えば言えない事もない。
実家にあるような丸いプラスチックコーティングされた重石の購入も考えたが、山形から上京してきた友人は「その辺で拾ってくればいい」と言う。
「天然の漬物石」か!非常に魅力的な響きだが、その辺てどこだ。漬物石サイズの石はどこに落ちているのだ。
友人に尋ねると、河原だと言う。河原に行きたしと思へども、河原はそれなりに遠し。
そう言えば、自家製梅干しに憧れてあれこれ調べていた頃に、水の入ったペットボトルを重石にするといいと言う話を聞いたことがある。そうか、ペットボトル!…というか水でいいのか!

それで、白菜を下処理してボウルに入れ、シリコン製の落し蓋を置いてから、一回り小さいボウルに水を入れたものを重石として上に重ねた。
うん、あるものを活用しているな。またしても目標を達成してしまった。
ちょっと重石にの重さが足りないような気がするけれど、まあ仕方あるまい。
六割方、満足しながら洗い物をしていた時に、ハッと気づいた。

常日頃、そのうち年をとったらこの鍋はもう使えなくなるんじゃないかと恐れていた頂き物のル・クルーゼ。足に落としたら骨折間違いなしだな、と毎回想像しては震え上がるほどに重いこの鍋。
これこそが私の求めていた、漬物石として密度の濃い重量。

それで先程の、水を張ったボウルの上にル・クルーゼの蓋を置いてみた。
いい!ちょうどいい重さ!天地を返しながら二日ほどで、白菜はとてもよく漬かった。ふう、なんという達成感。あるものを活用し尽くしてる!

尚、ル・クルーゼの蓋を重石代わりにした漬物スタイルの写真も撮ったけれど、あまりの貧乏くささに掲載するのが憚られたので、あるものを活用して、去年行った平標山の写真を載せておくことにした。
丹沢以外の山にも登ってみたいという目標を手帳に書いた矢先、山友達のおじさんと知り合って連れて行ってもらった山だ。

こうしてまた、手帳に書いたささやかな目標の達成に向けて日々は過ぎゆくのであります。