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90億の神の御名

この世界のほんの些細なこと

挑戦する生き物

旅・散歩 泡沫 箱根駅伝

ハンマー投げの室伏と同じ体育大で陸上をやっていた友人タキコと、いつか家で世界陸上を一緒に見た時、ふと、長らく不思議に思っていたことを口にしてみた。
「ねえ、どうして1秒でも早く走ったり泳いだりしたくなるのかな。どうして42キロも走ってみたくなるのかな。だってさ、考えてみたらそんなことする必要ないじゃない」
するとタキコは一瞬絶句した後、困惑して言った。
「・・・だって・・・アンタ、そりゃ・・・人間は、限界に挑戦したくなる生き物だから・・・」

ふーん、そういう生き物、か。そうか・・・。私は何かに挑戦してきたかしら。

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土曜日、箱根駅伝3区を歩いてきた。
本当はちょっと、嫌だなあ、と思っていた。1区、2区と歩いて、特別な感じも薄れ「箱根駅伝を歩いてみる事」が義務感のようになってきた。
もう、やれば20キロ歩けるんだってわかったし、箱根駅伝みたいに中継所で待っててくれる人もいないのに延々とあのつまらないアスファルトの上を歩くなんてバカみたい。足も痛くなるし。それなら山に行きたいな。天気もいいし、きっと紅葉も綺麗なはず。

わかってる。これは人が3日坊主に陥る時の典型的な言い訳だ。ここまで饒舌にあれこれと「やらない理由」を考えるものだ。そうやって投げ出してきたものがたくさんある。
でも、ブログで「歩く」って言っちゃったから途中でやめたらきっと根性なしの口先だけだと思われる。それに「自分で決めたことを継続する力が欲しい」って、もう何年もずっと毎年、手帳に書いてきた。
それで、休日というより通勤のような気持ちで出かけ、戸塚から平塚までの23.2キロを歩いてきた。

浜須賀の交差点で海に突き当たる。そんな事は知っていたのに、地図でも何度も見ていたのに、「海だあ!」と、ご褒美をもらったような気持ちになった。

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箱根駅伝でアナウンサーが必ず「サザンオールスターズの歌にでてくる烏帽子岩が」とコメントする烏帽子岩
コースは海沿いの国道だけれど、どうせ並行しているのだから、と砂浜を歩いた。

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波打ち際でどれだけ我慢して立っていられるか、って誰もが必ずやるのね。
けれど、まさか烏までそれに挑戦しているなんてね。

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砂浜に座って海を眺めて考えていた。
どんな事でも、やっている途中で必ず「嫌だなあ」「なんでこんなことしてるんだろう」と思う。でも時々こうしてご褒美みたいに海が見えたりするから、もう少し頑張ろうかと思う。中学受験や高校受験の子どもも、部活に励む学生さんも、ジムに通い出したおじさんも、ヨガを始めたお姉さんも、アスリートだってきっと同じで、しかもどれもこれも「やらなきゃ死ぬ」ようなものじゃないのだ。

なのにやるんだよな。人間は挑戦する生き物だから。自分にどこまでできるのか挑戦してみたくなってしまうから。
そして何度も何度も「嫌だなあ」と「ご褒美」とを繰り返す。

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カンカン照りの湘南大橋。正面にうっすらと箱根の山が見える。あそこまで行くのかあ。あーあ。
でもきっと、登山口にさしかかったら「さあ、ついに山登りだ!」とやる気に満ちたりするんだろう。挑戦する生き物として。