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90億の神の御名

この世界のほんの些細なこと

下半期

いよいよ12月。
10月に、山友達のお姉さんに「なんだか今年は同窓会があったり、偶然昔の知り合いと再会したり、私にとっては再会の年みたい。まめさんにはどういう年の印象?」と聞かれて、「うーん、苦手を克服する年かなあ」と答えた。

不思議なくらい突然、苦手だった牡蠣や柿やゴーヤやレバーが食べたくなって、好き嫌いをずいぶん克服した。星が見たくて早寝早起きに挑戦したり、暗がりに出向いて行ったりもした。苦手だった寝袋も好きになった。食わず嫌いで手出ししなかった作家の本も、はてなブログでおすすめしてもらって読んで好きになった。

けれど、11月の同窓会をきっかけに私の1年は「再会の年」に変わったみたいに見えた。同窓会には6年生の時の担任の先生しか来なかったけれど、1年生から3年生までとてもお世話になった先生の連絡先を入手できたので、お手紙を書いた。
お返事のハガキが1週間毎日届いて、電話でお話をして、昨日、友達のももちゃんと一緒に先生に会ってご飯を食べた。
「あなたは本ばかり読んでいて、時々よその先生に苦情を言われた」「植物の名前をよく知っていてお花屋さんになりたいと言っていた」「すごくおしゃべりで」そして今でも何も変わらないって。

それから先生と別れて、懐かしい街に住むももちゃんの家に。育った団地の、実家の向かいの部屋を買って住んでいるももちゃん。おかげで、よくももちゃんの家まで歩いた道のりをもう一度歩けた。公園も鉄塔もとても大きく見えていたはずなのにおもちゃみたいに小さく見えた。通った商店街はほとんど店を閉めて寂れてしまっていた。

7歳の頃、ひろみちゃんに「愛と恋の違いってなんだと思う?」と言われてショックを受けたジャングルジム。

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11歳の頃、ももちゃんの家で「怖い、怖い」と騒ぎながらも夢中になって読んだ「銀の鬼」。まだももちゃんの部屋にあった。「懐かしい!」と言っていたら、おばさんにまで「ああ、これよく読んでたね」と言われた。おじさんもおばさんも相変わらずお元気だった。

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米軍機が低空を、ものすごい轟音で飛び去って行く。その音に自分の身体が未だに慣れていることに苦笑した。

こうして、懐かしい人と再会したり、過去を一つ一つ振り返ったりする機会が続くと、ふと「死ぬのかしら」なんて思う。
別れ際、先生が「あと何回会えるかもわからないんだし」と笑いながらハンカチを買ってプレゼントしてくれた。「何言ってるんですか!またすぐ会えるじゃないですか」と言いながら、「何言ってるんですか、という台詞をうまく言えるようになってきた。こんな話をサラっと言ってサラっとかわせるようになってきた、気休めみたいな約束もサラっとできるようになってきた」と、頭の隅で思っていた。

今年は「苦手を克服する年」でも「再会の年」でもなく「人生をまとめ始める年」かもしれない、と思う最終月の始め。
私の人生はきっとまだ12月ではないはず。でも確実に下半期に入ってきたんだな。