90億の神の御名

この世界のほんの些細なこと

やられたらやり返す

賃貸の集合住宅に住んでいると、退去者が出た場合、空室になった部屋にハウスクリーニング業者がやってくる。そしてバルサンを焚く。すると、その部屋にお住いであったGという名の虫がほうほうの体で我が家に避難してきたりする。その為、退去の引っ越しを見かけたら私もすぐにバルサンを購入しておくのだ。
目には目を。バルサンにはバルサンを。やられたらやり返す。
願わくばGは倍返し。
とは言え、半沢直樹をよく知らないので、気分はナウシカだ。
「森(元の部屋)へお帰り。ここはお前の住む場所じゃないのよ」

母がくれるものは昔から、いらないものかまずいもの。
何かのオマケのシャウエッセンの付箋、買ったはいいが口に合わなかった黒ゴマペースト、どこかでもらったコラーゲン玉。発酵の進みすぎたキムチ、豚の絵のてぬぐいハンカチ、香料の強いフレーバーティー
おかげで母に「ねえ、これ持っていかない?」と食品を差し出されれば「何?まずいの?」「いらないんでしょ」と尋ねる悲しい習性が身についた。
母は憤っている。「そうやってすぐ人を疑って!美味しいものだってあげてるのに!これはまずいけど」
ほらやっぱり!

昨夜22時過ぎ、もう歯を磨いていた時に、父から電話があった。
「渡したいものがあるから10分位で行くから」
あら、どこかに出かけてきたお土産かしら、と思っていたら、助手席から降りてきた母が紙袋を差し出した。

EXILE風サンタクロースのマスコット(いらないんだな・・・)
シャトレーゼの雪だるまケーキ(これは言い訳だな・・・)

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メインはこっちだ。
「ねえ、これ使ってよ~、うちは使わないのよ~」
便座カバーとトイレットペーパーホルダーカバー。母も趣味じゃないだろうが私だって趣味じゃない。
固まる私に母は「いいじゃない!洗い替え用に使ってよ!」とゴリ押ししてくる。あなたが使えばいいじゃないですか!!

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やられたらやり返したい。10倍返ししたい。
しかし、「夜22時すぎに、疑われぬよう父から電話をさせた挙句、唐突にご家庭でご不要な便座カバーを人に押し付けにくる」という荒業に対抗できるだけのリベンジ方法がどうしても思いつかない。
全くもって、してやられたぜ。