90億の神の御名

この世界のほんの些細なこと

新しい朝

新しい朝が来た 希望の朝だ

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実はこの、ラジオ体操の歌が歌えない。恥ずかしながら、ラジオ体操にきちんと参加したことがなく、知らないのだ。もちろん私の年代では夏休みの間、毎朝公園でラジオ体操は行われていて、夏休み前には出欠カードが学校で配られた。
しかし、家族揃って宵っぱりで朝起きれないことを当然としていた我が家においては「出席しなくていいもの」になっていた。

自分が起きればいいだけの話ではあるけれど、起きれないものだから、毎朝ラジオ体操に参加する周りの子供たちにも、そしてその時間に毎朝起きて子供を送り出す「ちゃんとしたご家庭」にも憧れていた。

あれは中ニの頃、なにせ中二病全盛期なので、友達の家に泊まっては、朝まで漫画を読んだり、露悪的な口ぶりで大人を気取ったお喋りをして過ごした。
夜中2時を至高の時間とする中二達は寝不足もあってどんどんハイテンションになっていき、朝日が射し始めると「砂になる!」などと叫んで「夜型のクールな自分」アピールに励んだが、そんな中、ゴトオはハスキーボイスであの歌を歌い出した。
「新しい朝が来た 希望の朝だ」
みんなは笑い、私はポカンとしていた所、ゴトオが言った。
「これ歌わないと、朝がこないんだよ」

youtubeでこの歌を開いても、コメント欄に「おはようございます」とたくさんの人のやりとりがあった。
そうか、ラジオ体操にきちんと参加していた人達にとって、この歌は朝の象徴なんだな。その感覚を私は持っていないのだな、と改めて思った。

大人になってから、「朝型になろう」と努力をしている。
最近ではアイソン彗星が見たかったのをきっかけに、朝4時から5時に起きるサイクルにし、ようやく慣れてきた。
でも「私は朝型なの」と自信を持って言うことはできない。なぜなら、朝の象徴として、ラジオ体操の歌が体に染み付いているわけじゃないから。ちょっと油断をしたらまたすぐに、夜型を気取る生活になってしまいそうだから。

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あの歌を朝の象徴とする、その健やかさに憧れながら早起きをするも、アイソン彗星は消えてしまった。ラブジョイ彗星はまだ特定できない。でも、ふたご座流星群はいくつか見た。火球や、人工衛星のジェット噴射も見た。
そして美しい朝焼けも。

これが私の「身近なステキ」。
新しい朝、希望の朝、皆さまどうぞ良い一日を。


お兄さん (id:tk1969)から、お題を頂いたので。