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90億の神の御名

この世界のほんの些細なこと

ゼロ・グラビティ

メリー・ポピンズに出てくるアルバートおじさんは大の笑い上戸で、笑い出すと体が宙に浮いてしまう。
楽しくていいかと思いきや、「前回なんて3日も天井から降りることができなかったんだ、これはシリアスな問題だ」とバートが言う。とは言えすぐに一緒になって大笑いして宙に浮いてしまうのだけど。

金曜日にダンスを見てからずっと、まさにこんな感じでふわふわと気持ちが浮かれていて、現実生活に降りてこれなくなっていた。
タイトルに借りた「ゼロ・グラビティ」を一緒に見ようよという、父からの誘いも断って、ふわふわふらふら。
いい加減降りてこないと・・・、と思っていたら、メリー・ポピンズのようなタイミングの良さで、かえる姉さんからお誘いが来た。
「串行こ」
うん!!

12月で仕事を辞めたかえる姉さんは札幌に旅行に行っていたらしくお土産に昆布を買ってきてくれた。
ずいぶん渋いチョイスね。珍しい。あなた、いつもじゃがポックルなんかを買ってくる人なのに。
不思議に思いながら、「ありがとう」と受け取ると、かえる姉さんはメリー・ポピンズに扮したジュリー・アンドリュースの如く威厳のある表情を作って、ピシっと包みを指さす。
「ここ!ここ読んで!」

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「な・・・七日食べたら鏡をごらん・・・!!」
そう。これ、美人昆布だって。小樽の。アンタのためにも買っといたから。食べて。
イエス!マーム!

それから、串焼きを食べながら仕事の話や閻魔様の話で大笑いをして、改札口で別れる時もあの人はまた言っていた。
「昆布!食べて。そして七日後に鏡を見て!あたしも見るから」

アルバートおじさんは、笑い出すと体が宙に浮いてしまって、悲しいことを考えると地上に降りてくる。
でも私は、友達と大笑いして、地上にふわっと着地できた気持ち。還ってこれたような気持ち。

・・・昆布食べよ。