私、なんだか
私何だか死なないような気がするんですよ―心とからだについての282の知恵
- 作者: 宇野千代
- 出版社/メーカー: 海竜社
- 発売日: 1995/12
- メディア: 単行本
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「私、何だか死なないような気がするんですよ」という、宇野千代の有名な言葉に初めて出会ったのは高校生の頃だった。死が遠いものであったあの頃は、私よりもずっと死に近い所にいるにも関わらず「死なないような気がするんですよ」とあっけらかんと言う千代の迫力に押されて、「千代、恐ろしいぜ」と震え上がったものだった。
世間もまた、私と同じように衝撃を受けたのか、その言葉が書かれたハンカチなんかもデパートで売られていた。
今、その言葉を思い出すと、衝撃というより憧れる。そうやって余裕の表情で笑える老女なんてカッコいいにも程がある。
年末に引き続き、せーさん(id:maruchan_seisan)の農園のりんごとりんごジュースを購入した。りんごは紅玉。一つ一つ洋服を着せられたみたいに丁寧にお腹にプチプチが巻かれていた。これはジャムをたっぷり煮るつもりで買ったのだけれど、まずは、とアルミホイルで包んで石油ストーブに乗せて焼きリンゴにした。
芯をくり抜く器具はもってないから6つに割って芯をとってから。ホントはバターとお砂糖を詰めればいいのだけれど、バターもないので丸焼きに。甘酸っぱくてとても美味しくて、雪の降った夜の素敵なおやつになった。
こっちはせーさんの1月26日の記事で見て、発売されたら絶対買おうと決めていたりんごジュース。
風邪をひいた時、我が家はりんごのすりおろしを作ってくれるような家ではなかった。でも、なぜか大人になってから風邪をひくとりんごジュースが飲みたくなる。そしてそんな時に飲むりんごジュースのあまりの美味しさに驚くし、懐かしい味にホッとして涙が出そうになったりもする。喉の痛みもすぐにとれる気がする。
ここ数年、花粉症の始まるちょっと前のこの時期には必ず風邪をひいて熱が出る。花粉症の一番最初は重く出るというからそのせいなのかもしれないけれど、いつものことなので2月は少し気を張って過ごす。
今朝、せーさんの所から来たりんごジュースを飲んだら、やっぱりどこか懐かしく美味しいりんごの味で、ふと肩の力が抜けるような気がした。
そして宇野千代のように言ってみたくなった。
「私、なんだか風邪をひかないような気がするんですよ」
もし風邪をひいても、このりんごジュースがあるんですよ、私には。
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