ダメにする

今日の晩御飯。

切り干し大根の煮物の残りの玉子焼き
セロリとしめじと豚肉炒め（オイスターソースないからオタフクソースと中華味）
わかめと油揚げとねぎのお味噌汁
納豆
ご飯

納豆をかきまぜる時、いつも思い出すことがある。魯山人の事じゃない。魯山人は好きなだけ納豆をかきまぜたらいい。うちの母の言葉だ。
母がヨン様に狂っていた頃、たまたま実家に立ち寄った。夜9時を過ぎて父が疲れて「ただいま」と帰ってきたのに、母はパソコンで見ているヨン様の動画から目も離さずに「お帰りなさい。お味噌汁温めて食べて。納豆もあるから」と言うではないか。なんとひどい！！
憤慨した私が、代わりにお味噌汁を温めて、父のために納豆も用意していたところ、仕方なしに台所にやってきた母が言った。
「あらやだ、アンタ、納豆までかきまぜてやってるワケ？そんな優しさは男をダメにする！」
･･･ダメにするって！ダメにするって、納豆かきまぜたくらいで人がダメになるもんですか、大体あなた、専業主婦なんだからご飯くらい･･･と文句を言う私に畳み掛けるように母はピシャっと繰り返した。
「アンタは男を甘やかしすぎ！男をダメにする！」

あれ以来納豆をかきまぜる度に考える。納豆かきまぜたら男はダメになるのかしら。

大体、男の人っていうのは何かにつけてダメになりがちなのだ。
女でダメになる、酒でダメになる、ギャンブルでダメになる、その他、母親、ストレス、テレビ、おっぱい、借金、宗教、恋愛、果ては座っておしっこをすることも男をダメにするらしい。大人な意味では糖尿病とかタバコもダメにするそうだ。

こんなにダメになるものばかりで男の人は大丈夫かと心配になるくらいだ。あなたがたにとって世の中はダメになる罠だらけ、落とし穴だらけじゃないですか？
「女をダメにする」という言葉はそうそう聞かないというのに。

納豆をかき混ぜる時、たいてい私の眉間には深いシワが寄っている。ぐるぐるしながら思っているのだ。
納豆をかきまぜられたら男はダメになるんですって？それぐらいでダメになるならなるがいい！いっそダメになっちまえ！