90億の神の御名

この世界のほんの些細なこと

The Big Bang Theory

今更、海外ドラマ「ビッグバン★セオリー」にハマっている。
不器用で純粋なオタク青年たちが可愛らしくて痛々しくて面白い。

高校時代、こういうオタク青年たちの集う部室に入り浸り、王政を敷いていた。
彼らが粗大ごみから担いできたソファに座り、技術を駆使して受信できるようにしたテレビを見、プログラミングでクイズを作ってもらい、下の階の化学部員に花火を作ってもらったり、上の階の地学部員にプラネタリウムを見せてもらったり。

時には、当時流行していたパソコンゲームときめきメモリアル」や「校内写生」というエロゲーにチャレンジさせてもらった。ウエダくんは嬉しそうに「この場面でここを押すと裏ワザで主人公が裸になるんだ」と教えてくれたけど、だからと言って何も嬉しくなかった。
彼はビッグバン★セオリーで言うなら物理学博士シェルドンみたいなタイプの変人で、口癖は「時代がオレについてこない」、趣味は「航空公園でUFO来い、UFO来い、とUFOを呼ぶこと」だった。
呆れながらも、社交辞令で「ウエダくん、その後UFOはどうなった?見つかった?」と尋ねたら、彼は生真面目な顔で答えた。「UFOは来ない。何故ならオレの心の中にいるから。わかったんだ。UFOとはウエダ・ファイナル・オペレーションの略だってことが!」

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・・・どんな技だよ・・・。
ウエダくん、今頃どうしているのやら。もしかしたら何かの研究職について、私なんかよりもずっと稼いでいるかもしれない。

後輩のお父さんはノストラダムス研究者で、世紀末頃にはよくテレビに出てテリー伊藤なんかとケンカしていた。
同期のスギウラくんは、湯沸かしポットの管理に非常に厳しくて、定期的に「ポット洗浄中」を入れて洗浄が終わるまで見張っていたし、誰かがポットでゆで卵を作ろうものなら激怒して「サルモネラ菌がいかに恐ろしいか」という注意文をポットに貼り付けていた。
「ギムネマとは何か 答え:銀河の無法者、涅槃で待つの略」なんていう、今考えたら寒々しいにも程があるクイズを作ってくれた先輩がものすごく大好きだった。彼が細い指でキーボードを叩いてつくり上げるMIDI音源の「君たちキウイ・パパイア・マンゴーだね」なんかをうっとりと聴いたものだ。
おお、なんと痛々しい青春よ。

そんな青春時代だったこともあって、余計にあのドラマが面白くてげらげら笑いながら見ている。

よく一緒に星を見に行く友人はあのビッグバン★セオリーな部室に居た頃からの友達だ。今じゃ名の知れたIT企業にお勤めで、フェイスブックリア充ライフをアピールしているあやつが、部室の片隅でひそひそと、エロ同人漫画描きの先輩に靴下だけを身につけた巨乳の女の子の絵をリクエストしていた頃からの。

iRobot ロボット掃除機アイロボット Roomba620 ルンバ620

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先日、一緒に伊豆に行った際に泊まったリゾートマンションにルンバが置いてあって、試しに動かしてみては、一生懸命掃除するルンバを小一時間近く二人でしげしげと眺めた。
「なんだか孫を見守る老夫婦のようじゃないか」と思っていたら、あやつが「ルンバの空間認識能力っていうのは~」「どういうプログラミングになってるんだろうな、ちょっと調べてみよう」「あれくらいの傾斜には対応できるんだな、すげえな」と、目を輝かせて語り出すので、相変わらずのリアルビッグバン★セオリーぶりに、時の流れを見失う。

さて、続き見るか。