90億の神の御名

この世界のほんの些細なこと

今ありて

夏の甲子園の大会歌「栄冠は君に輝く」はきっと大抵の人が知っているだろうと思うが、春のセンバツの大会歌「今ありて」は知らない人も多い。

谷村新司作詞のこの曲は、こんな歌詞で始まる。
「新しい季節(とき)の始めに新しい人が集いて
頬そめる胸のたかぶり 声高な夢の語らい」

そう、新しい季節が始まる。
木曜日には神奈川県高野連の年間行事が発表されて、いそいそとスケジュール帳に書き写した。今年の春の関東大会は神奈川開催だ。有給とらなきゃ。夏の県大会決勝は7月30日。これも有給とらなきゃ。

今日はプロ野球オープン戦横浜ベイスターズ埼玉西武ライオンズの試合を見に、横浜スタジアムに行ってきた。よく晴れた日のデーゲーム、日差しを跳ね返す緑の人工芝、久々に見るプロ野球選手の姿に、「ああ、この季節が来た!やっぱり野球が大好き!」とときめく。

もうすぐセンバツも始まる。
大会歌「今ありて」のサビはこうだ。
「今ありて未来も扉を開く 今ありて時代も連なり始める」

目の前でプレーをする選手たちが、声高に夢を語らっていた「今」をずいぶん見てきたな、と、年をとった私は過去ばかり振り返ってしまう。

ライオンズ先発の菊池雄星が決勝まで勝ち上がったあの春のこと。
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高校3年間、横浜高校の4番に座り続けた筒香くんの1年生の頃のこと。
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あの夏、雨の中でダルビッシュくんと投げ合った松本啓二朗くん。
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松坂くんと一緒にあのPL学園戦を戦った後藤くん。
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今年また、若い、新しい人達が、新しい印象を残して時代を連ねていくんだろう。

帰宅後、NHKの麿こと登坂アナが大阪に異動になるというニュースを見た。
NHK札幌の「麿」こと登坂淳一アナ、大阪局へ? 北海道のファンは「札幌から去る…」と大ショック : ガハろぐNewsヽ(・ω・)/ズコー

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そうか、麿は東京に戻ってこないのか。
小野塚アナの実況と元松下電器野球部監督鍛治舎巧さんの解説で高校野球を見て、「11時になりました。ニュースをお伝えします」と突然麿に割り込まれていたあの春や夏。今思えば、あの時の「今」は、なんて贅沢だったんだろう。
それはまるで過ぎた青春のようね。