読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

90億の神の御名

この世界のほんの些細なこと

秋のマストバイ☆

お久しぶりでございます。すっかり月刊となってしまいました。月刊すら危うい状況でしたが、折に触れて連絡を下さった、おにいさん(id:tk1969) こみちさん(id:kazenokomichi) くみちょうさん(id:Strawberry-parfait) okkoさん(id:okko326)ありがとうございました。

今年は残暑もほとんどなくて、あっけなく秋がきてしまい、昨日はもう金木犀を見かけて本当に驚いた。ベランダの小さな盆栽たちも少しずつ赤く染まりだして、こんなに早く紅葉が訪れ始めるとは思わなかったから、病気かと一瞬ドキっとしたりもした。
だんだん、季節の移り変わりの早さに気持ちがついていかなくなる・・・とセンチメンタルなことを書きつつ、胃袋は正直だぜ、うへへ。

先週、さんまの神が降臨し、仕事の間中ずーーーーーーーーっとさんまのことを考えていた。さんま、さんま。さんま苦いかしょっぱいか。秋のマストバイ、それは絶対にさんま。
「今晩は、脂ののったアイツを思う存分塩焼きにしてくれるぜ!!」と息巻いていた終業間際、時々こっそり覗き見をしているブログで大変な記事を見つける。

さんまのナムル!・・・塩焼き・・・しかしナムル・・・。どうしたもんかと逡巡していたけれど、魚屋もくちばしの黄色く新鮮な刺身用さんまなんか売ってるもんだから、ここはやはりナムルね。そして次の日は塩焼き、よし、これだな。

そうして4尾で500円のさんまを買い、1尾はおろしてナムルに。あと3尾は内蔵をとって、2尾は冷凍、1尾は翌日塩焼きに。
たかだかこれだけの作業なのに、自慢の鋼の包丁は1回で刃はガタガタに、身は脂だらけ。翌日になってもまだ若干血生臭いような気のする台所で、包丁を研ぎながら考える。
あーあーあー、魚を捌くならやっぱ出刃包丁が必要かしら。秋のマストバイ、それはもしや出刃包丁?

しかし、実りの秋、食欲に抗うのも難しいが物欲に抗うのもまた難しい。靴も欲しい、服も欲しい。
ハッ!出刃なら確か実家にあったはず!!最近料理をしないと言っていた母親にとっては最早無用の長物!お母さーーーん!出刃包丁持ってる?
・・・絶対あるはず。よし!これで浮いたお金は辛子色のカーディガンに・・・と取らぬ狸の皮算用をしている間に母から涙マーク入りの返事が届いた。

「下の弟が持ってっちゃった・・・あの子ってホラ、自己中な子じゃない?だから家を出る時良い物は全部持って行っちゃったのよ・・・うち、もうナーンにもないんだから!」

それはここ数年、何度も聞いた母の嘆きであり、その度に私は「もうカンナなんて使わないんだからあの子に使って貰った方がいいじゃないの」などと呑気に笑って母を宥めていたものでした。
しかし、あの野郎!おのれ、出刃まで!ちょっと前まで家を購入するとか言ってたからお金はあるくせに!出刃くらい自分で買えよ!!
弟への憤りを胸に、いつもより丁寧に研いだ包丁は秋の陽に照らされてギラリとした輝きを放っておりました。

あの日から、私は、何度も何度も考え、迷っているのです。
この秋買うものは出刃か辛子色のカーディガンか。出刃かブーティーか。はたまた出刃かベレー帽か。いや、出刃か11月の披露宴用アクセサリーか。

f:id:mame90:20140929233543j:plain

義理と人情秤にかけりゃ義理が重たい男の世界。しかし女の世界では出刃とお洋服、秤にかけりゃどちらも重くて棹が折れるのでございます。
とは言え古来より、女心と秋の空、とも申します通り、いずれも移ろいやすいのが世の常。今日は出刃、明日はカーディガンと、心揺れるうちに新たな出会いが訪れてしまうものであります。

筋子!!

f:id:mame90:20140929234139j:plain

筋子が呼んでる。「僕を醤油漬けにして」と呼んでる。おお、そうだね、秋のマストバイ、それは筋子だね!
明日は筋子を買って醤油につけます。明後日は雄々しく猛々しく、いくら丼を貪り尽くしてやります。秋がそのように自分を駆り立てるのであります!

・・・そして満腹になってから、出刃かカーディガンかを再度考えようと思います。
そんな私の懐を冷涼な秋の風がサッと吹き抜けてゆくのでしょう。風よ、爽やかな秋の風よ・・・どうかクレジットカードの請求書なんて吹き飛ばしておしまい・・・。黄金色に咲き誇る金木犀よ、私に永遠の夢を見せておくれ・・・ウフフ、あはは。