90億の神の御名

この世界のほんの些細なこと

奥の細道

明日からGWか、1年て早いわねえ、やれやれ…と思いながらマキシスカートの丈上げにいそしんでいた4月28日、20時30分。
1通のメールが舞い込んできた。タイトルは「稽古総見」
劇団勤務時代にはよく耳にした懐かしい言葉だ。しかし舞台ではなかった。
「まめ、明日稽古総見行く?7時から11時くらい。両国国技館
差出人は相撲ファンの先輩つるちゃん。場所が国技館と来たら、これは。
相撲か!!

7時に両国国技館。ということは朝5時半の電車に乗らなければいけない。そして山登りをたしなむようになってからの私は知っている。朝5時半の電車に乗るためには、5時始発のバスに乗らねばならないということを!つまり4時起き!築地以来の4時起き!こいつはてえへんだ、てえへんだー。
すぐさま裁縫道具をしまって風呂に入り、カメラの電池を充電して眠る。

6時30分両国着。国技館前は既に長蛇の列。ひえー、目が覚めるぜ。
「つるちゃん着いたよ、並べばいいの?」とメールをすると「今起きた!すぐ行く」とのお返事。マジか。横綱級の驚き。しかし心は新十両のようにおどおどしながら列に並んでいると「7時半には着くよ、せっかくだから桝席座っちゃいなよ!」との続報メール。こうしている間にも列はどんどん伸びていき、もはや両国駅前まで届く勢いだ。こんなんで桝席なんて座れるのかしら・・・と思いきや向正面の桝席取れたよ!!人生初桝席。


まずは幕下力士から。こんな感じで立ち並ぶ尻に見守られる中で取組んで、負けると交代。朝7時よ?なんか部活の朝練みたいだ。

取り組みが終わると見守っていた男たちが「次は俺!」「いや俺だ!」とアピールを始める。つるちゃん曰くあのアピールで「やる気がある」と思われたりするのだそうだ。そして怪我などしている子はアピールしないらしい。ずっと組んでもらえない子とかいるんじゃないのか、と心配になる。朝練を見守る母気分。

見守る親方衆。

8時半くらいになると白いまわしをつけた幕内力士たちも登場してぐっと土俵周りの人口密度が高くなる。半裸の男たちがこんなにたくさん。風呂場か!

北の富士勝昭氏もダンディに登場するのですよ。生勝昭!
この稽古総見の一般公開は、あの八百長疑惑で相撲人気が落ちた年から始まっていて、年に1回、五月場所の前だけ一般公開されるらしい。それに来れたなんてラッキーだった。そしてつるちゃんは最初の年から毎年来ているらしい。なんという偉大な先輩。

照ノ富士、可愛い。

嘉風松鳳山

勝昭に挨拶後、談笑する白鵬

照ノ富士&高安
相撲に興味のない人から見たら、汚い絵面であろう。わかってる。

最近は買っていないが、かつてはよく「輝け!甲子園の星」という雑誌を購入していた。ある日、あの雑誌をもって飲み屋に行ったら飲み屋のお兄ちゃんがしげしげと眺めて半笑いで言ったものだ。「まめさん、僕、こんなに坊主頭の高校生ばっかり載ってる雑誌初めて見ましたよ」
…だろうね。

でも私の写真フォルダは昔から坊主頭でニキビ顔で泥だらけの高校生ばかりだった。今はそこにロン毛半裸、巨乳の男たちの尻が加わって更にすごいことになっている。ある意味ポルノだと言われれば否定はできない。




この日観客に一番人気だった、新十両の宇良。たくさんの先輩たちの胸を借りての激しい稽古の末にピグモンみたいな頭になって、それを先輩に結び直してもらっていた。…その姿を可愛いと思う人が少ないことなんてわかってる…。

この夏は仙台の友達が見たいっていうから一緒に仙台場所を見に行くことになったよ、と言ったらつるちゃんが満面の笑みで「まめ!順調にスー女の道を突き進んでるね!」と褒めてくれた。
…うん、順調に…奥の細道を突き進んでいるみたい、私…。
半裸の男たちで溢れる写真フォルダを眺めて、我ながら「ついにここまで来てしまったか」と恐れおののいている。