90億の神の御名

この世界のほんの些細なこと

何とも言はばいへ

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今月上旬、早稲田松竹ルキーノ・ヴィスコンティの「山猫」と「ベニスに死す」の2本立て上映があったので行ってきた。
上映時間が5時間を超える長丁場なので、クリームパンを持参して。
個人的に「山猫」の方が好みであった。オープニングの時点でもう、その堂々たる感じと色彩の美しさに「ああ、名画ってこういうのだった!」と心を鷲掴みにされた。

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鷲掴みにされていたからこそ、だからこそ。
スクリーンの光を頼りにそっと取り出したこのクリームパンを私は皮(下の紙)ごと食べたのだ・・・。

かの明智光秀は本能寺で織田信長を討つ前に、いろいろ悩みすぎて上の空だったのか、ちまきを竹の皮ごと食べたと言う。前の会社でお土産の笹団子が配られた時に、同僚が教えてくれた。
「これを皮ごと!!相当悩んでたんだね、光秀・・・」
笹団子を見つめながら、みんなで光秀の苦悩に思いを馳せた。
後で知ったことだが、家臣の中にはそんな光秀を見て「ちまきを皮ごと食べるような器の小さい奴にはオレはついていけないね!」と明智光秀を見限ったものもいるようだ。
そんな事で見限る方が小さいんじゃないかと思わなくもないが。

サンジェルマン 蒜山ジャージークリームパン 210円
パン:お菓子系でカサカサな感じ。
クリーム:確かに牛乳っぽい!
☆☆☆

ともかく、私は映画に夢中で、このクリームパンを皮ごと食べました!!
しかも夢中だった割には「カサカサ、そして牛乳味!」と一瞬映画を離れ、脳内メモに書き込むくらいの狡猾さも発揮しました!
家来がいたなら「アイツ小さい、マジ小さいわ!」と見限られていたであろう。
光秀辞世の句のように私も言おう。
「心しらぬ人は何とも言はばいへ 身をも惜まじ名をも惜まじ」

山猫 Blu-ray

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