のらおとな
年の離れた弟たちがいて、下の子とは一回り程も違う。
昔、まだ3歳か4歳だったあの子が、回らない口で高校生の私に言ったものだ。
「まめちゃん、そんなことばっか、ゆってると、のらおとなに、なっちゃうんだからな!!」
のらおとな!!!
・・・と、申しますと・・・?
困惑する私に、弟は顔を真っ赤にしながら力説した。
「しんないのか!のらねこ、みたいに、だーれからもかわいがられてない、おとなのこと、のらおとなって、ゆーんだ、ぞ!」
ししし、知らなかったです・・・。
本日は、そんな弟の結婚式だ。
今日、ねずみ色のタキシードなど着て、あれこれスピーチなんかしてもらっちゃってる弟よ。ごらん。
あんたの姉ちゃん、立派なのらおとなになって親族席で地ビール飲み耽ってるわよ。