釜めしを買いに
7月頭に釜めしの記事を書いたら、釜めしが食べたくて仕方なくなった。東京駅で販売しているという事までは調べたが、どうにも体調がすぐれず、買いに行けなかった。
それで、奈良旅行の折、私は新横浜から新幹線に乗るのだけれど友人は東京駅からなので「釜めし買ってきて」と頼んだら、東京駅から速報メールが入った。「あの釜めし、ちゃんと横川から配送されてくるらしい。10時にならないと来ないって!」・・・あああああ、ダメか!!!!
しかし、私はしつこいタチだ。いつまでもくよくよ「釜めし・・・」と考えてしまう方だ。折しも8月。青春18切符発売中。遠くに行きたい気持ちもある。よし、それならば横川へ出向こうではないか。
昨日はノスタルジーに彩られた記事を書いたが、旅立ちの動機は食い意地だ。待ってろ、釜めし!
高崎駅で売られていただるま弁当も、ホームにある完全立ち食いの「旅の味」と謳うそば屋も気にかかるが、そんな場合ではない。ターゲットは釜めし。
横川駅で、軽井沢行きのバスにそそくさと乗り込む人たちを尻目に、駅前のおぎのやで釜めしゲットだぜ。1000円也。
リュックに釜めしを詰めて、「アプトの道」に向かう。これは信越本線の横川-軽井沢間の廃線になった線路を旧熊ノ平信号場まで遊歩道として整備したもので、往復全長13キロ、途中史跡や碓氷湖を見ることのできる散策路だ。
しかし、何せ電車に歯車を噛ませて勾配を登っていくアプト式の路線だっただけあって、上り勾配。おまけにカンカン照り。リュックの中の釜めしが子泣きじじいのように重く肩にのしかかる。
それにしても群馬の山っていうのは本当にびっくりするほどギザギザね。
ああ、もう疲れた、暑い。折り返し地点まで行くとか無理だからね。トンネルいくつもくぐるのも怖いし。もうめがね橋で引き返すよ!
やけっぱちになるめがね橋。
碓氷湖畔で念願の釜めし。おいしい。そしてずっしりと重い。1キロくらいあるんじゃないか、これ。・・・これはあくまで駅弁であって、携帯すべきものではないのだな、うん。
尚、別容器入り香の物部隊の硬派なわさび漬け、そして釜めしに載せられた栗の甘露煮、あんずと言った甘味部隊との食べ合わせのタイミング、バランスについて更なる研究が必要と思われる。
一瞬、「横川駅」って書いてあるし、この釜とっておこうかしら・・・と考えたが、食べ終わった後の釜の重さに、こらいかん、お店に返して帰ろうと決意。なんでも使用済みの釜は、リユースされたり、砕いてアスファルトに混ぜたりされるのだそうですよ。
釜を返したら、リュックが随分軽くなった。やはり釜はご家庭に必要なし、と再確認の上、帰りは素直に高崎線から湘南新宿ラインに乗り換えて帰ってきた。満足。