90億の神の御名

この世界のほんの些細なこと

進化の過程

北京オリンピックの時に、初めてトライアスロン競技を見て仰天した。黒っぽいユニフォームに身を包んだ選手たちが浅瀬に我れ先にとひしめく姿はまるでおたまじゃくしのように見えたし、その人たちが水からどんどん上がって走っていく姿は「両生類から二足歩行に!」と、生物の進化の過程を見ているような気持になった。すごい競技だな、トライアスロン・・・。


ところで、進化の過程を見るようだ、と言えば、何よりも子どもだ。1歳になるかならないかくらいの友人の子どもなどを見ていると、子ども慣れしていない私は「なんだなんだこの生き物は!」と度肝を抜かれてしまう。女の子でも平気でおならもげっぷもするし、嬉しい時はゴリラのように両手で胸を叩く。野生!
まずいものは見るからにまずい顔をして吐き出すし、不満があれば黙っちゃいない。あーとかうーとか言いながらあたりをばんばん叩いたりする。・・・子ども・・・恐ろしい子!

先日、友人の子へのプレゼントを買うために、ベビーザらスというお店に行った。ああいうお店は子どもを持たない人間にとっては未知の世界だ。売られている洋服があまりに小さい事に「ペット用みたいだ!」と驚くし、こども用クロックスがものすごく小さいくせに大人用より高価であるのにも驚いて2度見する。
「お絵かきせんせい」はいまだに売られているのか、とかシルバニアファミリーはこんな豪邸にお住まいか!とも驚いた。しかし一番驚いたのは知育玩具なるおもちゃを見た時だ。

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これは知育玩具「ゾウさんのいないいないボール」
電池式でゾウの鼻の部分からボールが吹き上げられ、耳や腕に落ちて、また鼻から吹き上げられるというものらしい。口コミを見ると、子どもたちはこのおもちゃが大好きで大はしゃぎするとのこと。これのどこが知育玩具かというと、ゾウさんのおなかに誇らしげに「知育ポイント」というシールが貼られていて、そこには書いてある。「手と目の連動・原因と結果・物事の不変性

・・・な!なんですって!!
大人がこういう玩具を見て、「あらーゾウさんだー、可愛いねえ、ほらみてごらん、お鼻からボールがでてくるよーすごいすごーい」なんて赤ちゃん声で言ってる間に、子どもの方々はコーズ&エフェクトだの、不変性だのを学んでいたわけですか!
・・・ていうか、この玩具から学ぶ不変性ってなんだ。電池が切れたらボールは出てこないし、万物は流転す。
いやしかし、きっと子どもの方々は我々大人には計り知れない方法で、様々なことを学び吸収し、恐るべきスピードで進化を遂げてゆかれるのでしょうな。

そしてあんなに野生の生き物みたいだったくせに、そのうちすぐに立派な人間の大人になって、子ども恐るべし!と思うのでしょうね。歴史は繰り返す。