藤堂さんのマラカス
マンガ「エースをねらえ!」の中でいつも引っかかるのはこのシーン。
尾崎「藤堂、マラカス持ってたじゃないか」
藤堂「ああ、あれならひと月あれば楽におぼえられる」
待って!お待ちになって!
藤堂さん!何故マラカスを?そしてマラカスというのは覚えるのにひと月もかかる難しい楽器なのですか!藤堂さん、あなたはそれをひと月以上練習してマスターされたのですか、ご自宅で!!何故!!!
かつて生活の9割が仕事で出来ていた頃、ご多分に漏れず流行の抑うつ神経症とやらを2度程患った。と言っても、よく他の方が真剣に悩んでいるような大変な症状とは違って、私の場合はちょっとした風邪をひいた程度だったのだろうけど。
とにもかくにも泣き暮らした。劇場の窓口に座って仕事中にも関わらずはらはらと涙を流していたのだ。相当気持ち悪かったろう。お客様ごめんなさい。診療内科の帰りに道端に座り込んで泣き崩れたりもした。通りすがりの人、キモくてすいませんでした。テレビでは平井堅が「大きなのっぽの古時計」を歌っており、それでまた2時間ばかり号泣した。
今、もし目の前にあの頃の私がいたら「何をやっとんじゃ」と笑ってしまうだろう。あの時の自分の悲劇のヒロインぶりに赤面しそうになるから、平井堅の古時計は未だに聴けない。堅よ、すまんな。
昨日、こんな記事を読んでちょっと笑ってしまった。
VIPPERな俺 : 鬱病だけどマラカス振ってたら元気出ててきた
そうそう、こういう、ちょっと冷静になると「何してんの私、バカじゃないの」と思うようなことって、笑っちゃって元気になるわね。前にも書いた吹き戻しを吹くことや、大声で「だんご!だんご!」とだんご3兄弟を歌うこととかね。
あの頃の私に教えてやりたい。目に映る全てが虚しく悲しく思えるかもしれませんが、そういうあなたを十年後に思い出すとアホさに笑い、恥ずかしさに身悶えるものですよと。
そのうちまた、季節が巡るかのように、気持ちが沈んで泣き暮らす日が来るかもしれないが、その時には過去の経験を生かし、マラカスや吹き戻しを用意したり、楽しいこと楽しい思い出、やりたいことをたくさん用意しておいて、同じ過ちを繰り返さぬようにしたいものです。
ハッ!・・・よもや藤堂さん、精神的に辛くてマラカスを所持していたのではありますまいね?
- 作者: 山本鈴美香
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