90億の神の御名

この世界のほんの些細なこと

もっともだいずなこと

受験生だった頃、通っていた代々木ゼミナールの壁には大きく書かれていた。
「僕たちの正月は3月だ!!」
・・・力強い。

昨年末はうきうき浮かれてベトナムへ行って、除夜の鐘も鳴り終わった頃に帰ってきて寝こける、というバタバタした年越しだったので、私は心に決めていた。
「今年の私の正月は節分だ!」

年が明けると立ち読みしたくなるあれやこれやの占い書で、新宿の母も言っていた。「節分には豆まきをしましょうね」
します。しますとも。生協で注文した福豆も先週には届き、今か今かと出番を待っている。ちなみに昨年も書いた通り、鬼の顔が若干私を憂鬱にさせるので、袋は裏返しておいてある。

尚、主任は今年の「すごい豆まき」も申し込みを忘れていたらしい。あなたの節分愛はそんなものなの・・・。
そして私は今年も変わらず悩んでいる。
「節分でまいた豆ってどのタイミングで片づけるの?」
しかし、今は風水だの開運だの流行りなのでインターネットが懇切丁寧に教えてくれる。去年はこんなに答えはみつからなかったような気がする。

google先生曰く、正しい豆まきとは、家長がするものであり、その家に女しかいない場合には一番腕力の強い者を選出するのだそうだ。
まあ、元より私しかいない。まかせておけ。逞しい二の腕なら持ち合わせている。
そしてその他の家族は豆をまく者より半歩ほど下がってついていく。声は大きく出せとのこと。何の部活だよ。
「鬼は外」と外に豆をまいた後に、鬼が入って来ないように窓はすぐ締めること。苗字に「鬼」が入っている等、鬼が出ていっては困る場合「鬼は外」と言わなくとも良い。また「鬼は外」の後で「ごもっともー!」という合いの手を入れる地域もあるとのこと。
・・・どっちかと言えばその合いの手を入れる側にまわりたい。だがしかし我が家には私のみだし、一人ボケツッコミみたいな豆まきをするわけにもいかないしな。
まずは「鬼は外」と外に向かって鬼を追いだした後、家の中に「福は内!」と豆をまき、最期は玄関にまく。まきおえたら年の数だけ豆を食べる。
年の数が無理な場合は福茶を飲んでも良い
(福茶:塩昆布、梅干し、豆3粒にお湯を注ぐ)
ここまで全て済んだら掃除機か箒で豆を片付けて良い。

以上が正しい豆まきだそうです。
なるほどー!ごもっともー!ああ、大事なことがわかってすっきりだわー。
年の数だけ頑張って豆を食べなくてもいいのね。丁度塩昆布もあるし、今夜は福茶にしましょう。

・・・とか言いながら、私は3時のおやつにアーモンドチョコレートをばりぼりばりぼりとかれこれ10粒は食べているのです。・・・何が年の数だけなんて食べられないわー、だ。アーモンドは別腹か!
という批判には耳を傾けず、今夜は白鵬土俵入りのごとく盛大に豆をまいてやる所存です。
心の中でラッパーみたいに「セイ!ごもっともー!」と合いの手を入れながら。

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