読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

90億の神の御名

この世界のほんの些細なこと

蒼いうさぎ

クリームパン

思えば、うさぎに対する苦手意識が芽生えたのは、小学校時代の飼育当番の時だ。
6年生のお姉さんに連れられて、夏休みにうさぎの飼育小屋に初めて入った。
ドスドスと飛び回る白いうさぎ。お尻の周りは茶色く汚れ、目は赤く、口をもぐもぐさせている。
ひい!!と怯え、うさぎに近寄るよりはキャベツを刻む作業をしたかったが、お姉さんは決してその仕事を譲ってはくれなかった。

その後、うさぎの名を耳にしたのは、ドラマ「ひとつ屋根の下」の名台詞、「うさぎってさみしいと死んじゃうんだから!!」であった。
思春期のトンがった年頃ゆえ、そんな事で死ぬなら死ね!死ぬがいい!と呪詛のように思ったものである。
大人になって、同僚のうさぎ話を聞いたり、世のうさぎマスターたちの我が子自慢写真をいろいろと見るようになってから、ようやく「あら可愛い」と思えるようになったのだけれど。

f:id:mame90:20130316120733j:plain

ボワ・ド・ヴァンセンヌ(新宿区早稲田町) うさぎぱん 160円
パン:硬い。あんまり味がない
クリーム:くせがない。すごく少ない
☆☆

このお店で、可愛らしくティーソーサーに載せられてショーケースの中にいた「うさぎぱん」。
これがクリームパンである事は事前にインターネットで確認済である。
この可愛らしいパンをどこから食べるか。耳でしょ!
と、残忍にも耳をちぎった上で、お尻にかぶりつく。随分とカリカリしたパンだがクリームはどこかね。
もぐもぐもぐとカリカリパンを食べ進んで、ようやくほんの少量のクリームにたどり着く。


薄いうさぎぱんの体をひっくり返して眺めながら思った。
幸薄そうな体つきだわ。これは、寂しさで死ぬな。うん、間違いない。


尚、本物のうさぎは本当は寂しさでは死なないそうです。
ああ、良かった。おばちゃん、安心したわ。