90億の神の御名

この世界のほんの些細なこと

2014-01-01から1ヶ月間の記事一覧

理想の書架

私の本棚には自分の好きな本ばかりが並んでいるけれど、時々本棚をぼんやり眺めながら思う。「自分が一番読みたい本が入っている本棚はこれじゃない」と。写真は2枚とも、実家の本棚。 夏休みに実家に行ったら、母が「うちの本はもう好きに持って行っていい…

あなたの知らない世界

将棋の世界では王将戦が盛り上っているらしい。羽生さんは箱根花月園で、おやつにいちごショートケーキなんか食べながら頑張ってるそうだ。 王将戦:羽生、鋭く攻め快勝 1勝2敗に - 毎日新聞 王将戦中継ブログ : 午後のおやつ 急戦矢倉の作戦を採った羽生だ…

煮豆の思ひ出

中学3年の頃、初めて塾の冬期講習というものに通った。塾に通うなんて、受験生っぽいわー!朝から晩まで勉強なんて受験生っぽいわー!と呑気にトキめきながら。 理科の問題文の「鉢植え大根」という言葉に気をとられ「鉢植え大根てことは、鉢はものすごく長…

ゼロ・グラビティ

メリー・ポピンズに出てくるアルバートおじさんは大の笑い上戸で、笑い出すと体が宙に浮いてしまう。 楽しくていいかと思いきや、「前回なんて3日も天井から降りることができなかったんだ、これはシリアスな問題だ」とバートが言う。とは言えすぐに一緒にな…

春の声

ヨハン・シュトラウスの「春の声」先日YMCAのチャリティコンサートで、ソプラノ歌手の方がこの「春の声」を歌う前に、ドイツの冬と春のことを話してくれた。 なんでも、その方は以前ドイツに音楽留学をされていたそうだが、ドイツの冬というのは本当にどんよ…

日々は過ぎゆく

まるでパンチドランカーのように、美しさにうちのめされているうちに週末が過ぎていった。 この土日でできたことは髪を切ったこととジェラートを食べたことだけ。 日曜日は、東洋大の設楽兄弟も参戦するという奥むさし駅伝を見に行こうと思っていたけれど、…

運命と美しさ

坂口安吾は「堕落論」の中で東京大空襲について触れ、こう書いている。 「けれども私は偉大な破壊を愛していた。運命に従順な人間の姿は奇妙に美しいものである」 「あの偉大な破壊の下では、運命はあったが、堕落はなかった。無心であったが、充満していた…

くぼさん

今朝、台所の窓から明けていく空を眺めながら、ふと南野陽子の「あなたを愛したい」という歌を思い出して口づさんだ。 「あなたの夢でふと目覚めた夜明け 葡萄色の空に瞬く星屑がゆれてた 恋の予感がそっとささやいてる 目覚めに見る夢はかなうと」小学生の…

注文の多い料理店

「注文の多い料理店」と言えば間違いなくSUBWAY。あのサンドイッチ屋に入った事がない方もいらっしゃるかもしれませんが、とにもかくにも面倒くさい店なのだ。メニューの中から「コレ」と選んで注文するも、やれパンはどれにするだの、ドレッシングはどうす…

この手をすり抜ける

今シーズンからロッテに移籍してしまう元西武ライオンズの涌井くんのお母さんが、野球雑誌のインタビューで言っていた。 「あっという間に親元を離れてしまった。もう少し手をかけたかった。横浜高校時代、久々の帰省の後で寮に帰る日に駅まで車で送った。振…

ご開帳

私も会社でこんな記事を書いていたりするので、人の事は言えないけれど、隣の席のタカハシさんが時々くすくす笑いながら何かしていたり、真剣な顔でどうやら仕事じゃないらしいことをしていたりする。 そして、そんな時に主任が後ろを通りかかろうものなら「…

風に吹かれて

寒いし、死ぬかもしれなかったし、箱根駅伝歩くので手一杯だったし、すっかり山から足が遠ざかっていた。本当は年始に丹沢の阿夫利神社へ初詣ついでに大山に登ろうかと思っていたのに、それもやらずじまい。けれど、いつも覗き見のようにしてこっそり楽しん…

封印を解き給ひし者

スプライトとかチェリオとかメローイエローとか、懐かしの飲み物の復刻に「おおお!」と興奮しても、ペットボトルに入っているのを見るとガッカリする。 瓶でしょ。瓶に入れてよ。瓶を返すとおばちゃんが5円返してくれるのよ。 どこかに旅行に出かけて古い酒…

人の楽しみ

週末の鬱金香(チューリップ) (中公文庫)作者: 田辺聖子出版社/メーカー: 中央公論社発売日: 1996/11メディア: 文庫購入: 1人 この商品を含むブログ (2件) を見るこの田辺聖子の短編小説集の中に「篝火草(シクラメン)の窓」という作品がある。線路沿いの家…

恋は恋

「恋はするものじゃない、落ちるものだ」と、江國香織原作の映画「東京タワー」の中で、V6の岡田くんが言っていた。全然おもしろくない映画だったけれど、あんまりに自信満々にそう言われるから「ふーん、落ちるのか」と思っていた。しかし足元に注意して生…

進化をやめて

先日、朝、出社するなり、課長が焦ったように言った。 「iPhoneの充電器もってないか?」 ・・・あるけど、使えませんよ?課長はiPhone5だからLightningさん(写真右)でしょ?私の持ってるのiPhone4s用の30ピン(写真左)ですもん。「あああ、参ったなあ。20%しか…

冷静と情熱のあいだ

日曜の同窓会ではミルフィーユ鍋が出た。 みんなが「あー!小栗くんのCMやってるよねー」なんて言ってた。 ああ、そうなの。この鍋じたいは前からあったはずなのに、最近流行しているようだなと思っていたら、そういうわけか! でもこれおいしいな。それで月…

酔っ払いは二度死ぬ

日曜の晩は再び同窓会があった。前回来れなかったあやちゃんは初っ端から結構なペースで飲み、笑い転げ、みんなに「あやちゃんてこんな子だったっけ~」「面白すぎ!」と言われていたけれど、二次会になって、足元のおぼつかない姿で絡み出してから、だんだ…

肉体というフィードバック装置

人間が頭だけになれば、全てを理屈で整理し、快楽も苦痛も全て想像の世界で味わうことになる。最終的には理屈の迷路に迷い込み、狂人になるだろう。人間は肉体というフィードバック装置がないと、破滅的な結論に向かうのだ。 島田雅彦「僕は模造人間」 ちょ…

死ぬかと思った

金曜日、会社帰りに近所の百貨店に立ち寄ったら、盆栽展が開催されていた。「BONSAI」だって。ふーん。なんで今ってなんでもこうなの?「BONSAI」とか「CHINTAI」とか「SOBA」とか。普通に書けよ、普通に。なんて思いつつ、ミニ盆栽が可愛らしくて心惹かれる…

やきもちやき

向田邦子脚本のドラマ「阿修羅のごとく」 NHKドラマの八千草薫や加藤治子が出ているものは見たことがないが、大竹しのぶや黒木瞳が出演している森田芳光監督の映画は見た。映画の冒頭は次女、黒木瞳の家に四姉妹が集まる所から始まる。ちょうど鏡開きの時期…

思い込んだら

試練の道を~♪・・・というのは「巨人の星」のオープニングテーマ。okkoさん(id:okko326)が ■その思い込みを捨てろ その思い付きを拾え - ひぐらしPCに向かいてという記事の中で、通販で買った調味料が想定外の大きさであったことを書いていた。 あるあるある!…

ドアのない家

初めて一人暮らしを始めたのは、ちょうど、酒鬼薔薇事件の頃で、犯人はまだ捕まっていなかった。まさか少年の犯罪だなんて誰も思っていなかった。 「犯人は関東に逃げてきている」という噂もあったし、古い木造のアパートはドアくらい簡単に蹴破られてしまい…

歴史は繰り返す

学生時代の弟は「お前韓流スターか」と言いたくなるようなアシンメトリーな頭をしていた。当時は街中がそんな頭のメガネ男子で溢れており、若い子とすれ違う度に「あれ?うちの弟?」とドキっとした。 コイツ、そんな流行に乗る子だったっけ、と結構驚いて印…

真っ白でいるよりも

近所のスーパー銭湯は元旦の早朝から営業していた。何も元旦から…と思ったけれど、「新年の一番湯に入りたい」という人たちで賑わうのだそうだ。 一番湯かあ…。私はちょっと苦手だなあ。もちろん一人暮らしだから、家で入浴する時は常に一番湯だけれど、銭湯…

今は死ねない

その昔、横浜港には「あかいくつ号」と「かもめ号」という遊覧船が走っていた。たとえ叔母に「今からこの船でまめを上海に売りとばしに行く」と脅されようとも、あれに乗れるのが嬉しかった。 白いかもめ号よりも赤色のあかいくつ号に乗れる方がより一層嬉し…

Money, Money, Money

ちょっと前までは、年が明けた頃に、友人タキコとかえる姉さんと「手相見てもらいに行こう、どこどこが当たるんだって」と、胸ときめかせて出かけていた。 そうして見てもらうたびにタキコは毎回憤っていた。 「結婚とか恋愛とかどうでもええんよ!!金よ!…

駆けていく人

ちょっと電車に乗れば見れるのだから、1年に一度のチャンスだから、やっぱり行けば良かったなあ、と来年まで思い続けるのも嫌だから、箱根駅伝の復路を見に行ってきた。 9区、横浜駅過ぎ、京急神奈川駅付近。先頭の東洋上村くん。追う駒澤。この3分のタイム…

On the way

12月の終わりに用事があって大手町に行った時に、「そう言えば読売新聞東京本社の工事はどうなったんだろうか」と気になって見に行ったら、まだ工事中だったけれど、「絆」という名前の駅伝の像が立っていたから、「うん、ここが箱根駅伝のスタート&ゴール…

大草原の大きな罠

元旦は安息日なもので、してはならないことが多いのです。 まず洗濯をしてはいけない。「服(福)を洗い流すから」 神様のサービスか、元旦は綺麗な日本晴になることが多い。ああ、こんなにいい天気なのに。こんな朝にお前を回せないなんて~、布団も干せな…