90億の神の御名

この世界のほんの些細なこと

2013-07-01から1ヶ月間の記事一覧

本日閉店

母が小さい頃、近所に住んでたおじいさんで字の読み書きができない人がいたそうだ。その名は「三三三(みさぞう)」。横棒を9本引くだけなので、さすがの彼にも自分の名前くらいは書くことができたと言う。 そんなみさぞうにとって、漢字四文字は全て「本日…

第一次夏の終わり

7月30日。第95回全国高等学校野球選手県神奈川県大会決勝戦。 日曜日の準決勝が試合開始2時間前で入場ギリギリだったので、決勝戦は13時開始だけど9時に球場着。既に球場1.5周分くらいの人が並んでいた。試合前の円陣。毎年毎回この写真を撮る。 横浜高校伊…

かけがえのない金魚

これは鯉だけど。日曜日のお祭りの夜、金魚の入った袋を下げた女の子に、お母さんが「すぐ死んじゃうよ」と言っていた。 そうだよ、金魚ってすぐ死ぬんだよ。 いつも不思議になるのだけれど、これが動物だったら獣医さんがいるのに、虫や魚にはどうしてお医…

ハレの日

仮設の櫓の中で器楽奏者が奏でる異教的な音楽に合わせて、二つの輪が揺れながら反対の方向に何時間も回り続ける盆踊りは、最も感動的な光景の一つと言えます。盆踊りはリズミカルで、陽気というよりは多少陶酔的なところがあり、自己主張がなく非個人的なも…

決め手

カメラを買ってしまいました。 あんまり写真にこだわりがないので、iPhoneで十分だと思っていたのだけれど、ここ最近他の方のブログで色んな写真を拝見して、月がこんなに綺麗に撮れるのか、とか、夕焼け空が美しく撮れるのか、と羨ましくなってしまったので…

きのこにまつわるエトセトラ

専門的な物事について書かれた文章というのは往々にして、専門外の者にとって非常にシュールに感じられるものだが、なかでもきのこに関する文章のシュールさは群を抜いているのではないかと思う。 そしてそう思ってしまった時点で、きのこは既に私の脳内で繁…

夜明けの色

スポーツについて、いつもとても愛情深い記事を書いている薫さんの「風が強く吹いている - 風が薫るとき」という記事と、その記事のコメント欄でくみちょうさん (id:Strawberry-parfait)に力強くお薦めして頂いたことから、三浦しをんの「風が強く吹いている…

満面の笑み

不景気な昨今、世の中には「これであなたもお金持ち」みたいな本やジンクスが溢れかえっている。その中の一つに「満月の夜に月に向かって財布を振る」というのがある。 全く知らなかったのだが、ある満月の日、友人が教えてくれた。元々ばあちゃん子だった友…

彼女の辞書

花梨さんのブログの「他人の本棚、自分の本棚 - 壊れせんべいがすき。」という記事を読んで、我が家にあるおかしな辞書のことをハッと思い出した。うちの母親は辞書が好きだ。今ではそんな事もないが、ちょっと前までは誕生日プレゼントなどに辞書をねだって…

暇にまかせて

暇なんだろう。 徒然なるままに日暮らし球場に向かいて、木曜日は会社帰りに東京ドームで都市対抗、土曜日は相模原球場で高校野球2試合、日曜日はまた東京ドームで都市対抗野球2試合、月曜日は有給とって保土ヶ谷で高校野球2試合、火曜日は都市対抗決勝。幸…

夏に読みたい100冊

はてなさんの今週のお題は「夏に読みたい1冊」との事ですが (もう月曜なので、間に合ってない感じがものすごくするけれど) 夏になると一番読みたいのは、新潮文庫や角川文庫なんかから出されている「夏に読みたい100冊」というような小冊子だ。 毎年毎年、…

戦争と祭り

本日は参院選投票日でございますね。 こんな事を言ってはいけないことは知っているが、正直な気持ちを言えば、政治にまるで感心がない。 そんな私ですが以前に選挙のウグイス嬢のアルバイトをしていたことがあるのです。と言っても特定の政党への思い入れが…

未知との遭遇

はてなさんがブログを電子書籍にするらしく、おかげさまで準備号に、私が以前書いた「何も足さない。何も引かない。」という記事を載せて頂きました。ブログを電子書籍にしたらどのくらい楽しいだろう? という実験をしてみることにしました。『電書はてなブ…

美味しうございました

京都の営業さんが阿闍梨餅を手土産に本社に来てくれた。これ、大好き。この前、奈良の帰りにも買おうかと思ったけれど、大人気なのか「本日分は売り切れ」になっていた。 なんてもちもち!美味しさのあまり、食べ終わってから浮かれて「おいしゅうございまし…

夏の夜の夢

※写真はいつか行った諏訪大社。我が家と実家は徒歩にして20分ほどの距離にある。近いから毎日のように行き来する家族もあるらしいが、うちの場合は全員、近さ故にほとんど会わないし連絡もしない。ただ、昨日は奈良のお土産に買ってきた大きなどら焼きを渡す…

そうめん狂騒曲

あれはまだこの世に流水麺がなかった頃。遅番勤務を終えて23時近い電車に揺られながら、頭の中はそうめんでいっぱいだった。 「ああ、そうめん食べたい。今すぐ食べたい。でも、そうめんてファミレスにないもんな・・・。茹でる?今から?薬味も買って?なん…

遠いジャスコ

埼玉に住んでいた頃、近所に宮岡昇という歌人が住んでいて、母が彼の主宰する短歌の会に入っていた。 「山の麓でぶどう園を営む地主のおじさん」としか思っていなかったのに、角川短歌賞を受賞していて、本も何冊か出していると聞いて驚いた。今、短歌とは―…

股旅メモ・奈良最終日

帰って参りました。 最終日は修学旅行っぽい所へ。 東大寺で、「ねえアナタ、お煎餅はお持ち?」と鹿に見つめられながら大仏様を見に行ったり。聖武天皇の時代に疫病やら飢饉やら地震やらが起きたので建てたらしい大仏様。今とあんまり変わんないね、また大…

股旅メモ・奈良2日目

奈良旅行2日目。 まずは西吉野へ。「これ登れんのかよ」「うわ、こっえー!てか、マジでこの先何かあんの?」とため息をつく友人をなだめすかして、細い山道を車で登ってもらい、映画「萌の朱雀」ロケ地へ。 みちるの家。緑の濃い山々に遠雷が響く。隣にある…

股旅メモ・奈良1日目

奈良旅行1日目。 新幹線で昼に京都着。京都を見ないのももったいないかとも思いつつ、レンタカーで奈良へ。奈良駅観光案内所でドヤ顔のせんとさんに遭遇。そうか、君のホームであったか。薬師寺と唐招提寺へ。 新しく建て替えられた大講堂の姿は、まるでNHK…

いい日旅立ち

高校時代の友人たちと、二十歳くらいの頃から毎年のように旅をしていた。 当初、それは「宛のない旅」で取り敢えず集まってから、「どこ行く?」「西?」「国道1号を終わりまで行ってみようぜ」と無謀に車を走らせていた。お金がないから全部下道で、宿もと…

いそいでる人

これは飯能焼のお急須。実家ではこれをお急須とは呼ばず「いそいでる人」と呼んでいる。「いそいでる人、どこ行った?」「さっき洗って棚にしまった」といった具合に。名前の由来は先日の記事にも書いたアーノルド・ローベルの童話「おてがみ」の郵便屋さん…

失われた時を求めて

弟の誕生日は七夕。私の誕生日は納豆の日。 思春期に母親に「何故、もっと頑張って七夕に産まなかったのか」と食って掛かった所、反対に叱られた。「あたしは七夕生まれにしてやろうと努力したわよ!アンタが出て来なかったんでしょ!」同じ誕生日の有名人は…

おじいさん先生

ヤギから漂う、おじいさん感と先生感は異常。風邪をひいて、喉の痛みはとれたが咳がひどい。 もうすぐジブリ「風立ちぬ」が公開されることもあり、コホコホしながら「ああ、高原のサナトリウム行きかしら」とうっとり酔いしれるほどに精神は元気ハツラツであ…

耳をすませば

子供の頃から団地住まい、一人暮らしを始めてからはアパート住まい。一軒家に住んだことはただの一度もない。 今はマンション暮らしの人が多いけれど、かつて「集合住宅なんて一時的に住むところ」「一国一城の主になるのが当たり前」という時代には、一軒家…

男ってやつは

森進一によれば、男ってやつは港を出てゆく船のようだし、岩崎宏美によれば、この都会は戦場だから男はみんな傷を負った戦士。昨日は秩父宮ラグビー場に関東大学ラグビーオールスターゲームを見に行ってきた。秩父宮にはいつも青山一丁目から銀杏並木を通っ…

オーバードーズ

あれは脳内メーカーが流行った頃だったかしら。インターネットで、色んなおもしろ占いが出まわっていたことがあった。 その中の一つに「あなたがつぶやく最期の言葉」というものがあって、私の結果はオーバードーズだった。もう、この占いサイトはなくなって…

そうか君はもういないのか

「生きてる作家の本は読まない?」 「生きてる作家になんてなんの価値もないよ。」 「何故?」 「死んだ人間に対しては大抵のことが許せそうな気がするんだな。」 村上春樹「風の歌を聴け」 好きな作家(文章に限らず全ての)は、初めて出会った時にはもうこ…

愛国心

6月29,30で北八ヶ岳に行ってきた。あの辺りは日本でも有数の苔の生息地だそうで、白駒池はもちろん、この日登った北横岳もしっとりと苔が生い茂り、ちょっと踏むとふかふかしていた。 鬱蒼とした森を気持ちよく歩きながら、屋久島もこんな感じかしら、と思っ…

かえるとまめ

昔、国語の教科書に、アーノルド・ローベルの「おてがみ」という物語が載っていた。生まれてこの方、一度も手紙をもらったことのない事を嘆き悲しむがまくんに、かえるくんがお手紙を書いてやるのだ。「きみのともだち かえるより」と。 その手紙を届けるの…