90億の神の御名

この世界のほんの些細なこと

未知との遭遇

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はてなさんがブログを電子書籍にするらしく、おかげさまで準備号に、私が以前書いた「何も足さない。何も引かない。」という記事を載せて頂きました。

ブログを電子書籍にしたらどのくらい楽しいだろう? という実験をしてみることにしました。『電書はてなブログ 準備号』配信中です - 週刊はてなブログ

見本版を送って頂いたのだけれど、何せ電子書籍。今まで「本は持っていたい派なんだよね」「頁を手でめくることに意義があるじゃない?」と頑なに保守派を貫いてきた私は一切電子書籍に関わるものを持っておらず、今回初めてibooksを入れてみた。縦書横書選べるのかなと思いきや選べず、縦書で、しかも段落まできちんと整えられて読む自分の文章はなんというか、嬉しくも恥ずかしく、「何バカなこと書いてんのかね、この人は…」ともじもじしてしまった次第であります。


それで導入したibooks。無料本のラインナップには「風立ちぬ」やら「銀河鉄道の夜」やら「一握の砂」といった純文学がズラリと並んでいる。人によっては「そういうのいらないし」と思うかも知れないが、私のような保守派の者には「え!これタダで読んでいいの?」と狂喜するラインナップだ。うーわー!それで「ま、まあ、これで良かったら、本を買えばいいじゃない?」とあえなく長いものに巻かれ、あれこれダウンロードしていたところ。

ふと「握り寿司の名人」という個人的にとても心惹かれるタイトルが目に入る。北大路魯山人の著書だ。魯山人!・・・まあ、魯山人と言って、私が知っていることなど、「美味しんぼ」の海原雄山のモデルであるということと、納豆をやたらと右に何回、左に何回とかき混ぜるということと、奴の器は超高い、ということ。以上。

しかしまあ、無料であることだし、とダウンロードして読んでみたら、文章は特に大したことなくて、やれ「最近じゃ寿司屋で女の立ち食いが増えて噴飯ものだ」とか「寿司らしい寿司は残念だが君等大衆の口に入るものじゃない」とか、とかく感じが悪いのだ。おまけに、全てが海原雄山の声で脳内再生される。

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なんだ、このおっさん!と思いつつ、美味しんぼ気分で読んで、時々「こいつバカだよ」とげらげら笑ってしまう。どうということもない文章のくせして執筆量は多い。
・・・あれ、なんだろう、口にした言葉がそのまんま自分に返ってくるような、この感覚は・・・。

ちなみに魯山人の著書は他にも心惹かれるタイトル満載だ。「塩昆布の茶漬け」「椎茸の話」「残肴の処理」このあたりは是非読んでみたい。どうせ、海原雄山口調で、老人があれこれ文句言ってるだけなんだろうけれど。

それにしても、なにげに電子書籍って便利で、マーカー出来たりメモ出来たり文章が検索できたりするのですね・・・。そして何よりこうして手軽にいろんな本を試してみることができるのですね・・・。
参った。参りました。こりゃあ、いよいよiPadが欲しくなるわ。。。