90億の神の御名

この世界のほんの些細なこと

2013-09-01から1ヶ月間の記事一覧

きのこ狩り

かねてより、紅葉狩り、ぶどう狩り、きのこ狩りだのという言葉を不可思議に思い、なぜ芋やレンコンは「芋掘り」「レンコン堀り」であって「狩り」にはならないのか、その差別性はどこから来るのかと考えていたが、こちらを読む限り、貴族様の楽しみから来て…

歩き箱根駅伝1区②

東日本銀行立会川支店。 ここが1区の中間点。これでやっと半分か。まだ半分か、気が遠くなりそうでいて、10キロをすぎたら体が慣れてきたのか少しずつ元気がでてきた。残りあと10キロ付近の鈴ヶ森刑場跡。あの八百屋お七もここで処刑されたそうな。そして命…

歩き箱根駅伝1区①

先日書いた通りの理由で、年内に5回にわけて箱根駅伝のそれぞれの区間を歩いてみようと決めたので、こないだの3連休、まずは1区を歩くことにした。 どうせ歩くなら、それはもちろん朝8時に心の中で号砲を打ち鳴らして読売新聞社前をスタートしたい。おかげで…

幸福論

転職活動中、最初に役員面接までいったのは某SNSの会社で、オフィスビルから神宮球場が見えた。「野球場の見える職場で働けたらとても幸せなんじゃないか」と、思ったが落ちてしまった。まあ、その会社の今の没落ぶりを見るに、入れなくて良かったのかもしれ…

この道を行けば

猪木議員は言っていたな。 この道を行けばどうなるものか 危ぶむなかれ 危ぶめば道はなし 踏み出せばその一足が道となり その一足が道となる 迷わず行けよ 行けばわかるさ はてなではないのだけれど、「好日弁当日記。」というブログが好きで、いつも楽しみ…

両手いっぱいの夢

久々にクリームパンについて書く。こないだの満月の夜、友達と夜遅くまでお茶をして23時頃の電車に乗ろうとしたら、改札前に若い男の子が立ち尽くしていた。よく見ずに脇を通り過ぎたら、友人が「ねえ、あのお兄ちゃんさあ、両手にソフトクリーム持ってたの…

やさしい手

小さな子供と接することがほとんどないので、道を歩いていて子供が駆けてきたり、ぶつかってきた時に上手によけたり、受け止めてあげたりすることが下手くそだなあ、と自分で思う。お父さんやお母さんに申し訳なさそうな顔で「すみません」と謝られるけれど…

9回2死

毎度引き合いに出して、お前は松岡修造か!と言われるかもしれないが、漫画「エースをねらえ」にこんなシーンがあった。 「ここまでだと思ったとき、もう一歩ねばれ。それで勝てないような訓練はしてない!」1998年夏の甲子園準決勝、横浜高校対明徳義塾の試…

うそつき

うちの家族はみんな嘘つき。 落語好きな祖母は昔、母に落語で聞いた嘘をついた。 「みっちゃんね、お酒に漬けたお米を撒いて、近くに南京豆の殻を置いておいてごらん。お米を食べた雀がみんなして酔っ払って、南京豆の殻を枕にして眠ってしまうからね」 南京…

美しいものしか見まい

タイトルは立松和平のエッセイ集から拝借した。立松和平が法隆寺や沖縄など、日本のあちこちで見た美しいもの、美しさについて徒然に書いた文章だ。美しいものしか見まい作者: 立松和平出版社/メーカー: 恒文社21発売日: 2002/09メディア: 単行本この商品を…

想像の限界

夜空に輝く星座を眺めるたびに毎回ギリシャ人の想像力はものすごいな、と感嘆する。 例えばオリオン座は星の並びに下の図のような肉付けをされて、「オリオンそっくり!」とその名を付けられている訳だけれど、呼び名として定着するためには、誰もが「ああ、…

秋というとき

秋という字を「とき」と読むと知ったのは、授業に漢文が入ってきた頃だったかしら。なんでも、五穀が実る、一年で一番大切な時期だから「とき」と言うらしいとの説明を聞いたような気がする。「一日千秋の思い」という言葉は、一日を秋が千回巡るほどの思い…

大志を抱け

かの有名なクラーク博士は言った。「少年よ、大志を抱け」 そしてそのクラーク博士の教えを受けた内村鑑三はこう言った。「人生の目的は金銭を得るにあらず。品性を完成するにあり」 更にその内村鑑三に師事した東海大学創立者松前重義は言った。「若き日に…

コロッケと嵐

台風が近づくと、インターネット上がコロッケコロッケと騒ぎ出す。理由は下記の通り。意外と古い 『今日は台風だからコロッケな!』 の由来とは - NAVER まとめ子どもの頃、親の知人の家で台風を迎えた。「この後、停電するから」とおばさんは張り切っておに…

好むと好まざると

父方の親戚筋はみんな広島で、お墓も広島にある。広島のお墓の怖い所はほぼ全ての墓石に「○○ 5歳 昭和20年8月6日」などと、原爆で亡くなった方の名前がずらっと並んでいるところだ。一つの墓石に同じ日に亡くなった名前が2つも3つも刻まれているのを、顔を強…

濡れてまいろう

この3連休、晴れるのは土曜日だけのようだったので、高校野球秋季大会横浜高校対湘南高校は横浜高校が勝ってくれるとふんで、箱根外輪山に行ってきた。コースは道了尊→明神ヶ岳→明星ヶ岳→塔ノ峰→箱根湯本。 小田原駅から大雄山線に乗る。レトロな電車は青春1…

エスプリ

エスプリ フランス語の「esprit」が語源。 精神。気が効いているさま。機転。「──に富んでいる芸術」「──が効いたジョーク」 はてなキーワードより これはエスプリの効いた絵。 「エスプリの効いたジョーク」、「エスプリの効いたデザイン」、「エスプリの効…

朱に交わる

子供の頃、父親に何気なく「お前、友達は選べよ」と言われてずいぶん腹が立った覚えがある。しかし、今思うとあれは私の性格をよく知っていたのだな、と思わなくもない。 すぐに。本当にすーーーーーーーーーーーーーーーぐ人に影響されて、あれいいな、これ…

肉曜日

「あのお肉どうするの?」 私は目に涙を溜めてそう言った。 「捨てなきゃいけないの?あのかわいそうなお肉」 私は床に座り込んで泣いた。しくしくと音がするような泣き方で泣いた。 「私はお肉が食べたかったんだよお」 山田詠美 「ベッドタイムアイズ」 こ…

あとがきと解説

原田宗典が麻薬取締法違反で逮捕された、というニュースを見て、え!!と声をあげてしまった。小説家の原田宗典容疑者逮捕=覚せい剤と大麻所持容疑―警視庁 (時事通信) - Yahoo!ニュースとは言え、原田宗典の書いた本を読んだことはない。ただ、山田詠美の…

ドーナツこわい

10代の頃、上の弟は盗んだバイクで走りだして保護観察処分になった。それで実家に引きこもっていた弟を訪ねた所、弟はさも不機嫌そうな顔で言ったものだ。 「まめちゃん、ざわざわ森のがんこ、見てる?」 あ!ああ!ああ!あの、教育テレビでやってるやつで…

太陽を追いかけて

週末、星を見ようと福島に出かけたけれど、雨が降って星は見えなかった。翌日、那須に寄って、水車の回るちょっとすてきなお店で名物だというすいとんを食べて帰路に。帰り際立ち寄った那須塩原の道の駅では、おじさんがギターをかき鳴らして心細げな高い声…

You Can't Always Get What You Want

もう一度星を見に行こうと、新月の日程もきちんと調べた上で、夏に行った浄土平再訪を決めたのに。 1週間前から、神様にもずいぶんお願いしておいたのに。やっぱり雨で星は見えなかった。どうしていつもこうなんだろう。どうして神様はこんな意地悪をするの。…

呪いの言葉

「むらさきのかがみ、って言葉を二十歳まで覚えてたら死ぬんだよ」 そんな噂が小学校の教室を駆け巡っていた頃があった。まだ、二十歳なんてものすごく遠い未来にしか思えなかった頃だ。それから二十歳になって、同窓会があって、キャーキャーはしゃぐ友達に…

ものの例え

法人向けの携帯電話関連の仕事をしている。 ある日、パケットとは何かと説明しようとして主任は言った。 「大きいデータを鞄にちょっとずつ分けて運ぶ感じ。その鞄1個が1パケットって言うか・・・。よし、わかった!今日、この後パケット勉強会やるぞ!場所は餃…

許されざる者

社員食堂は少ない予算でやりくりをしているのか、時折どこの母親だ、と思うような独創的な汁物を出してくる。例えばミニ高野どうふのお吸い物だとか、ミックスベジタブルのコンソメスープだとか。 そんな汁物がついてくるたびに、先輩は憂鬱そうに箸でお椀を…

藤堂さんのマラカス

マンガ「エースをねらえ!」の中でいつも引っかかるのはこのシーン。 尾崎「藤堂、マラカス持ってたじゃないか」 藤堂「ああ、あれならひと月あれば楽におぼえられる」待って!お待ちになって! 藤堂さん!何故マラカスを?そしてマラカスというのは覚えるの…

ホテルをめぐる冒険

「なかなか良さそうなホテルじゃない」と彼女は言った。 「良さそうなホテル?」と僕は聞き返した。 「こぢんまりとしていて、余計なものもなさそうだし」 「余計なもの」と僕は言った。「君の言う余計なものというのはしみのついてないシーツとか、水が漏ら…

青い影

だんだんいろんなものについていけなくなってきた。 流行りすたりや世の中の話題にも、政治や何やかやの難しい話にも。春先に自転車を買って、久しぶりに乗ったら、そのスピードに気持ちがついていけなくて、怖くて驚いた。こんな乗り物だったっけ。ようやく…

みんなとおなじ

田舎に帰省してた友人のタキコが帰ってきて、居酒屋で冷奴つつきながら言う。 「帰りにな、母ちゃんがいっつも弁当持たせてくれるんよ。母ちゃんの弁当、茶色くて、昔はあれが嫌で嫌で仕方なくて、やめてくれって散々母ちゃんに言ってたんだけど、今食べると…