90億の神の御名

この世界のほんの些細なこと

Money, Money, Money

ちょっと前までは、年が明けた頃に、友人タキコとかえる姉さんと「手相見てもらいに行こう、どこどこが当たるんだって」と、胸ときめかせて出かけていた。
そうして見てもらうたびにタキコは毎回憤っていた。
「結婚とか恋愛とかどうでもええんよ!!金よ!金と幸せについて聞きたいのに、どうして恋だ愛だについてばかり語られるのか!!」

しょうがないのよ~、世の中の女子のニーズはそこなのよ~。金のこと聞きに手相観に来ないのよ~。
タキコはともかく、私とかえる姉さんだって、ちょっと前までは「今年こそ出会いが!?」なんて思って手相をみてもらいに行っていたのだ。しかし二人揃って毎回毎回判を押したように言われることは「アンタはね、一生働く。結婚するかどうかはわからないけど、ともかく一生働く」との事だった。「またそれか」とインパクトが強すぎて、恋愛について何を言われたか覚えていない。

数年前、行きつけだったカフェバーの店長まいこちゃんが嬉しそうに「お客さんから出雲大社の縁結びの糸もらったんですよー、みんなでわけましょうよー」と紅白の糸を取り出した。

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きゃあきゃあと沸き立つ女子たちにまいこちゃんは厳かに言う。「“身近い衣服等に御使用なされ”って書いてあります。みんなでご使用なされましょう!」
ナシコは「ナシコ、パンツに刺繍します!」と張り切り、マキちゃんは「やっべえ、どうしよう~。ジーンズにでも縫い付けておくかなあ」と思案し、そろそろそういう事にあまりときめかなくなった私はとりあえずその紅白の糸をお財布の中に入れておいた。ナシコもマキちゃんもその後彼氏が出来たようだ。

年末に大掃除をしていたら、その糸が出てきた。特に効果を実感しないまま時は過ぎ、縁結びにまるで興味がなくなってしまったが捨てるのも罰当たりかと思い、登山中に木にひっかけて糸がほつれた毛糸の帽子と、ボタンのはずれやすいエプロンに縫い付けなされておいた。

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下手くそとか言うの、禁止な!

そんなことより、今日はこれから赤坂の豊川稲荷に行く予定だ。ここ数年は毎年豊川稲荷にお参りして、融通金をもらってくることにしている。

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まあ、中に5円玉が入っているだけなんですけどね。これをお財布に入れておくと、神様がお金を融通してくれて、1年間お金に困ることがないというお守りなのです。そして1年後に礼金としてこれを奉納し、また新たな融通金をもらってくる、という仕組みになっているのです。
おかげさまでとりあえず「首が回らない!」と言わずには暮らせている。

もうね、いいの。恋とか愛とか結婚とか。
金よ!金と幸せについてのお守りが欲しくて、金と幸せについて語ってくれる占いに行きたい。そういう年頃。