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90億の神の御名

この世界のほんの些細なこと

男ってやつは

森進一によれば、男ってやつは港を出てゆく船のようだし、岩崎宏美によれば、この都会は戦場だから男はみんな傷を負った戦士。

昨日は秩父宮ラグビー場に関東大学ラグビーオールスターゲームを見に行ってきた。秩父宮にはいつも青山一丁目から銀杏並木を通って行くので、東スタンドにしか座ったことがないのだけど、こんな日差しの中では東スタンドはキツすぎる。それで屋根のある西スタンドに座ることにしたが、そこは出場する仲間を応援するラグビー部員たちで溢れかえっていて、猛者たちの隙間で小さくなって観戦。
実に男女比は9.5:0.5くらいで、まあ屈強な男たちばかりのスタンド。おまけにラグビー部だもので、松葉杖率、擦り傷率の高いこと!正に男はみんな傷を負った戦士なのね。
みんな、ハムみたいな太ももやぶっとい二の腕や、あり得ないほどに分厚い肩をお持ちで、「なんという猛獣!」と圧倒されつつ、顔つきはまだどこか子供らしくて、しかも年頃の男の子たちだから気になるのか、試合中もスタンドのあちこちからしょっちゅう制汗剤の臭いが漂ってくるので「可愛らしい」と笑ってしまう。

全然知らなかったのだが、少し早めに現地に着いたら、女子7人制ラグビーの交流試合をやっていた。女子ラグビーというのは初めて見たが、パっと見には男子かと思ったくらいになかなか力強くて驚いた。
しかしやっぱり、男子の試合が始まった途端、そのスピードと瞬発力、躍動感に「男って、すっごいな!」と度肝を抜かれる。

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よく、金曜日の夜に酔っ払ったおじさんが駅のホームやバス停で仰向けになって寝ていたり、その辺でおしっこをしていたり、海外から帰ってきたバックパッカーが髭ぼうぼうで、お風呂にも入っていないような身なりをしていたりするのを見る度に、ちょっと驚きながら思う。「ああ、男の人っていうのは野生動物なのだな」と。

貶めている訳では全くなくて、普段身近にいて、同じ生き物であるかのように感じているのに、実は違う生き物であったな、と再確認するような。
そりゃあ同じ人間だけれど、自分には酔ってその辺で眠ることも、その辺で気軽におしっこをすることも、お風呂に入ってない身なりのまま飛行機に乗ることも出来ないだろうから。
女のほうが、社会性の枠の中に強く縛られているものなのかしらね。

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ボールを抱えて歯をくいしばって全力疾走したり、バシッと音がする程の勢いでぶつかったり、引きずり倒したり、掴んだり。そのプレーの一つ一つに、スタンドから「おおおおおおお」と野太い歓声をあがる。
そして、一つ一つのプレーの中で力を入れる度に盛り上がる、太ももや腕の逞しい筋肉の美しさと猛々しさ。まるで競走馬のよう。

草食系だの、優しさだの、ノーブルさだのがもてはやされる昨今、逆セクハラのつもりはないけど、やっぱりどこかで男たちにはこういう荒々しい生き物であってほしいと思う部分がある。馬鹿みたいなことに必死になってほしい。泥や汗にまみれて力強く走ってほしい。そうして、生物としての、生命体としての力強さを思う存分誇ってほしいと思ってしまう。
男ってやつには。