愛ひとつ
ドトール クリームパン 140円
パン:ふにゃふにゃパン
クリーム:牛乳味のクリーム
☆☆
ベローチェにもクリームパンあったけど、ドトールにもあったのか。
新鮮な驚きで手にしたクリームパンはベローチェと同じくふにゃふにゃパン。
カフェのパンはふにゃふにゃの方がコーヒーと合う、とかって誰かが決めたんだろうか。このふにゃふにゃ感、まるで缶詰のホワイトアスパラみたいだ。
なんだか、そういう短歌があったな、俵万智だったな・・・と検索したらアスパラガスじゃなくてカリフラワーだった。
愛ひとつ受けとめられず茹ですぎのカリフラワーをぐずぐずと噛む 俵万智
ああ、そうそう、この感じ。食感もぐずぐずで気持ちもなんだかぐずぐずして、奥歯がぐずぐずする感じ。
恋愛が動き出してしまった時のあーあーあー・・・、という感じ。
私は他人を愛せません、とようやく認めることができたのは最近のことだ。
もう何度も何度も何度も同じ失敗ばかり続けてぐずぐずしていたけれど、やっと、今更、理解した。
勝手な妄想だけだったら楽しかったのに、いざ、現実に恋愛が動き出すと毎回失望する。もう、夢や妄想の中だけで都合よく終わらないんだな、あちらの都合というものがあるからな。
人から好意を向けられたときも、ありがたいけれど、ああ・・・と重たく暗い気持ちになった。
うきうきと優しさと愛情に溢れた電話がきてもメールがきても、手をつないでも一緒に眠っても、いつだって私の頭の中に渦巻いていたのは「あなたのご期待には応えられませんよ」という言葉だった。
それで相手をとても傷つけて、私は罪悪感いっぱいで、何度も何度も「あーやっぱりダメだった」と、はたき込みまたは寄り切って力ずくで終わらせてきた。
そのたびに罪悪感と同時に「男というボトルをキープすることの期限が切れて今日は快晴」という、これも俵万智の短歌を実感してきたけれど。
ぐずぐずとクリームパンを食べて「愛ひとつ」の歌を思い出したら、改めて、悪いことしてきたな、とぐずぐずした気持ちになった。
サラダ記念日 (河出文庫―BUNGEI Collection)
- 作者: 俵万智
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 1989/10
- メディア: 文庫
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