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90億の神の御名

この世界のほんの些細なこと

特別な週末

泡沫

金曜日、友達とご飯を食べて「明日は何十年ぶりに大雪になるんだってね」「そんなこと言ったってどうせ降らないでしょう?」「でも、いざ雪が降ったら外にでなくてもいいように買い物をして帰りましょう」とスーパーに行った。
【地獄】 たかが雪で食料品の買い占めが起きている模様 : watch@2ちゃんねる
「たかが雪で関東民は買いだめか」なんて揶揄されていたけど、別にスーパーに普通に物はあったし、それに私達が欲しかったものは「大雪の週末のお供はお汁粉とホットワインのどちらがいいと思う?」なんていう、非日常を彩る何かだった。

id:karigariさんが大雪何年ぶり? - ときどき休みますという記事の中で「まるで高校野球の甲子園出場を決めた古豪校かといわんばかりのはしゃぎよう」と書いていて、もう、正にその通り!と笑ってしまったのだけれど、北海道や東北の人にとって雪が珍しいものではないことも、この程度の雪で交通機関に影響が出たら暮らしていけないことも、もちろんわかっている。こんな雪でも毎日飛行機が飛ぶなんて北海道はすごいなあ、と感心するし、いつか鉄道博物館で見た、積雪の中でも余裕で走れる東北新幹線の構造にも「日本の技術すごい!」と思った。

でも、私達にとっては年に1度あるかないかのことだから、やっぱり甲子園出場が決まったかのようにはしゃいでしまう。
部屋の掃除をして、ヒマにまかせて確定申告も済ませて、オリンピックを見て、リンゴジャムを煮て、「まだ止まないわねえ」と外を眺めて、祖母に電話して「大丈夫?」なんて「特別な週末」の確認をし合う。
外に出ないと決めていたにも関わらず、わざわざ外で写真を撮ってみる。ついでに買い物にも行って、ついついトルコ桔梗なんて買い求める。
どうせ家の中にいるのなら、美しいものがある方がいいものね。
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「まさに雪見だし」と雪見だいふくも買っちゃう。
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夜、わざわざもう一度外に出て写真を撮る。
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23時過ぎ、ガリガリと雪かきをする音が聞こえたので、「あらあら、様子を見に行ってついついこの時間に張り切り出しちゃったんだわ」と思って外を見たらヘルメットを被った、市の職員らしきおじさんたちが、雪かきをしながら融雪剤を撒いてくれていた。

そのおかげで歩ける一本道を通って、晴れ上がった日曜日、チェーンをじゃりじゃり言わせて走るバスに乗って出かける。坂の途中や駅前で乗り捨てられた車を見て、「ああ、今年も出たか」と確認して。
そして溶けてぐしゃぐしゃの雪を踏み、水たまりに盛大にはまりながら中華街へ。
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特別な週末はこれで終わり。
明日からは、凍った道に足を滑らせないよう、生まれたての子鹿みたいな足取りで会社に行くんだ。雪に不慣れな私達は。