ロシアより愛をこめて
向こうも「日本人てわかんねーな」と思ってはいるだろうが、「ロシアって謎・・・」と思ってしまうのは、こんなニュースを見た時とか。何も1600人も死ぬことないじゃない。
記録的猛暑のロシアでウォッカ飲んで行水、事故も多発 | 世界のこぼれ話 | Reuters
それから「罪と罰」のラスコーリニコフがコートの脇の下に輪っかをくくりつけてそこに斧を刺して老婆を殺しに行く下りの不審極まりない様子とか。
あれについては飲み屋で友人と2時間ばかり語り合った。どういう作りなのか、脇の下を怪我したりしないのか、と。
これは帝国主義の象徴、コカ・コーラ。
更に謎が謎を呼ぶのはロシアのことわざだ。
今日、図書館でこんな本を借りたのだ。
- 作者: 八島雅彦
- 出版社/メーカー: 東洋書店
- 発売日: 2011/12
- メディア: 単行本
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これが、もう、ものすごく面白い。
「あごひげは名誉だが、口ひげは猫にもある」(口ひげをはやした人をバカにしたい時に)←どんな時!?
「吊るされた人の家で縄の話はするなかれ」(人が思い出したくないことは口にすべきではないという意味)
・・・あの・・・そんなに吊るされたりとかするんですかね、隣近所で・・・(((( ;゚Д゚)))
「ねえ、みなさん、どうすわったところで、やっぱり音楽家には向いていませんよ」(餅は餅屋の意味)
「哀れなマカールに松ぼっくりがみな降りかかる」(踏んだり蹴ったりの意味)
「フィーリャの宴会なのにフィーリャがぶたれた」(恩を仇で返された時に)
「どう籤をひいてもどうせやせた土地」(八方塞がりの意)
松ぼっくりとか、痩せた土地といった表現や、いきなりぶたれる理不尽さにロシアを感じてしまうのは偏見だろうか。
「親豚も焼かれるとなれば仔豚どころではない」(自身が大変な時に人のことに構っていられない)
「ヤギも満腹 キャベツも安全」(両方を満足させることは不可能な問題について使う表現)
なんだか教訓を含む童話のようだ。
そして極めつけ、バスの中で声を出して笑いそうになったのがこれだ。
「いいお風呂ですね!!」(用途:お風呂あがりの人の健康を祝って)
ロシア人は相当お風呂好きなんだそうだ。寒いもんな。
そんな訳で他にも「風呂は乳母ではないが、誰のご機嫌も思いのまま」というような風呂にまつわる慣用句があるようだ。
お風呂上りの人の健康を祝って「いいお風呂ですね!」と言い合うなんて、そんなのまるで下町の銭湯にいる気のいいおじさんじゃないか。
相変わらず謎は謎だけど、ちょっとロシア人を好きになれそうだ。
この本、本当におすすめです。
「ぶちたくなるのは好きな人」とかね。
ロシア人の愛し方、生活、苦悩、妥協、そういうものを垣間見ることができます。
ことわざや、古くからの言い回しって、そういうところが本当に素晴らしくて、そして面白い。