90億の神の御名

この世界のほんの些細なこと

東の果てから

あけましておめでとうございます。

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これは昨日の、年の終わりの夕焼け。こっちは今朝の夜明け前。

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それから初日の出。

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初日の出予想時刻は朝6時51分。時間になった途端に地平線の向こうからかなりのスピードで、まさに日の丸のような太陽が昇ってきた。
小さな女の子がたどたどしい口調で「げんきにすごせますように」とお祈りする隣で、ああ、ここは日出づる国だったなと感銘を受けた。

大好きなマンガ「沈黙の艦隊」の中で、戦闘国家「やまと」元首、海江田四郎が国連演説を行う場面がある。
彼は日付変更線から西に、陽が昇り一日が始まる順番に世界に呼びかける。
「ロシアに生きる人類、パプアニューギニアに生きる人類、ミクロネシアに生きる人類、日本に生きる人類・・・」
私たちは、この地球上で、早い順番で一日の始まる「極東」と言われる場所に住んでいる。毎日毎日、早い順に太陽を迎えて、新しい日を始める。

カムチャツカの若者が
きりんの夢を見ているとき
メキシコの娘は
朝もやの中でバスを待っている
ニューヨークの少女が
ほほえみながら寝返りをうつとき
ローマの少年は
柱頭を染める朝陽にウインクする
この地球では
いつもどこかで朝がはじまっている
ぼくらは朝をリレーするのだ
経度から経度へと
そうしていわば交替で地球を守る
眠る前のひととき耳をすますと
どこか遠くで目覚時計のベルが鳴ってる
それはあなたの送った朝を
誰かがしっかりと受けとめた証拠なのだ
        谷川俊太郎「朝のリレー」

太陽の周りを一周りして一年が終わって、もう何周目になるのかのスタートを切る今日。
今朝見送った初日の出が高く昇って、どこか他の国の「新年の朝」を始めて行く。
東の果てから新しい年をリレーする朝。
日の丸のような太陽を胸に、日出づる国に生まれたことを嬉しく思った。
日の出を待つ西の果ての人たちに、素晴らしい一年が始まりますように。

本年もどうぞよろしくお願い致します。