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90億の神の御名

この世界のほんの些細なこと

悲しみよこんにちは

ものうさと甘さとがつきまとって離れないこの見知らぬ感情に、悲しみという重々しい、りっぱな名前をつけようか、私は迷う。その感情はあまりにも自分のことだけにかまけ、利己主義的な感情であり、私はそれをほとんど恥じている。
        フランソワーズ・サガン悲しみよこんにちは


少女の頃に読んだ漫画か何かに「女の子の淋しい気持ちを慰めてくれるのは生クリームだけ」というような事が書いてあった。その言葉にきゅんとしながら生クリームを食べては「ああ、こんなに淋しいだなんて、私ってなんて可哀そう!」と、恍惚としていたものだ、あの頃は。

生クリームの入ったクリームパンなんて邪道だ、と思わないでもなかったのだけれど、時々は少女の頃のように、その甘さに慰められてみたくなるものだ。
何があったわけでもないのに、何かが重く沈殿して疲れてしまったような夕方、カフェの窓際に座ってぼんやりと外を眺めながら、甘いクリームパンに齧りついた。
かつて私を甘く慰めてくれた生クリームは、今となれば少し重い。

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DON MEISTER麹町店(木村屋系列ベーカリー) ダブルクリームパン 168円
パン:フォカッチャみたいな白いパン
クリーム:ホイップクリームとカスタードクリーム。シュークリームみたい
☆☆☆☆


もう、ずいぶん大人になったので、物憂さと甘さのつきまとう感情に酔いしれることも少なくなった。私を悲しませるものは、もっと現実的で、逃げようのないものばかり。
であるからして、元気になる方法だって、もっと現実的なものになるのですね、当然の事ながら。

友人は言った。
「だんご3兄弟の歌を大声で歌うといいよ。あれ歌ったら悩んでる場合じゃなくなるから」
それで私も負けじと言った。
「お祭りとかで売ってる、吹くと紙がピロピロって伸びるやつ。しかも3方向あるやつ。アレを吹いたらいいと思うんだ。絶対笑っちゃうから」

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アレの名は、吹き戻し。
実は我が家に1本ある。友人が大笑いしながら買ってくれたのだ。
「まめちゃん、寂しい時や悲しい時はこれ吹きなよ」と。
それで、別に寂しくない時も、時々、夜中にひとり、この吹き戻しをくるくるさせたりしている。
ものすごくバカみたいで、絶対笑ってしまうもの。笑ったら、結構色々、どうでも良くなってしまうもの。


悲しみよこんにちは (新潮文庫)

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おつむでピーヒャラ

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