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90億の神の御名

この世界のほんの些細なこと

海を見ていた午後

旅・散歩

ここ最近では、高校野球と青春18切符に追われ、おまけに暑いこともあって全然山に行っていなかった。それでリハビリも兼ねて、山友達のおじさんとお姉さんにハイキングに連れて行ってもらった。コースは金沢文庫から鎌倉天園を通って鎌倉駅。距離は長いけれど、小学生が遠足で行くような、起伏のほとんどない自然遊歩道だ。
朝9時30分、久々に乗った京浜急行の窓から横浜高校を見送って金沢文庫駅へ。
歩き始めの場所から見えた景色。あれは逗子の二子山だって。それならあの向こうに海があるんだな。

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住宅地の間に細々と続く丘の間を歩く道だけれど、こんな風に切り通しがあったり、こうやって東京湾を見下ろせたり、向こうに房総半島が霞んで見えたりする。
あれは三菱の工場、あの辺りが八景島、と指さして教えてもらって、ようやく地図が頭に浮かんでホッとする。「あなたはそういう風に物を見たがるのね」とお姉さんに笑われた。

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そう、そういう風に見たいのです。
地図を頭に浮かべて、現実と地図をリンクさせて、自分の居場所と位置関係を把握して、それで初めて安心するのです。
鎌倉天園のお茶屋さんで、冷やしトマトを買ってお昼ごはん。山に囲まれた鎌倉の街と海が見える。
頼朝がここに鎌倉幕府を開いたのは、山に囲まれていて、山が要塞の代わりをするからだって、いつか学校で習った通りの地形が目の前に広がっている。

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山から下って、鎌倉宮へ。これは身代わり様。よくある、痛いところをさすると身代わりになってくれるもの。奥には土の人形がたくさん置いてあって、一つ一つにお参りした人の願い事が書いてある。よくよく眺めていたお姉さんがポツリと「やっぱり癌が多いね」と言った。

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それから鶴岡八幡宮へ。3年前に折れてしまった樹齢1千年の大銀杏。2月に来た時も「そうだ、折れていたんだった」と思った。今日も「ああ、やっぱり折れてしまったんだった」と思った。根から出た新芽がどれだけ大きくなったか、すれ違うたくさんの人達が気にかけていた。

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舞殿では明日、華原朋美岩崎宏美が出演する音楽祭があるのだそうで、忙しそうに舞台設営準備をしていた。
階段の上から、海までずっとまっすぐ伸びる若宮大路をしばらく見つめる。まっすぐ行けば海。その潔さが嬉しくて。

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鶴岡八幡宮の池で、まだ辛うじて咲いていた蓮の花を見てから、鎌倉駅前の「扉」という、ロゴの素敵なお店でお茶をして帰ってきた。

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小町通りの入り口のジブリショップは「風立ちぬ」の影響で、店の外まで聞こえる音量でユーミンのひこうき雲を流していた。
だから、秋の山行計画を話し合うおじさんとお姉さんをよそに、「山手のドルフィンからは本当に三浦岬が見えるのかしら、地理関係的に無理じゃないかしら」なんてことをぼんやりと考えて、コーヒーフロートをがりがりとかき混ぜていた、海を見た日の午後。

よく歩いた。