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90億の神の御名

この世界のほんの些細なこと

鬼の棲家

泡沫

先週末は同窓会があった。前に一度同窓会をしてから幹事の子たちが張り切ってしまい、定期的に会合がある。
小学校の頃はクラスも違ったせいか、全く昔の印象がないアヤちゃんは同窓会のたびに少しの酒でひどく酔っ払って大騒ぎをして、必ず誰かに介抱をされる。そんなアヤちゃんのことをみんなが心待ちにしているのだけれど、私は少し怖い。
こんな酔い方するなんて、何か相当ストレスがあるんじゃないかしら、となんとなく思ってしまうので。

友達に「アヤちゃん、大丈夫なの?」と聞くと、「なんか子育て大変みたいよ?うちのお母さんが毎日夕方になるとアヤちゃんのものすごい怒鳴り声が聞こえるって言ってた」と言う。みんな小さな団地育ちなので、割といろんな事情は筒抜けなのだ。今も昔も。
きっとそんなこんなあれやこれやのストレスがアヤちゃんをあの暴走に駆り立てるのでしょうね。

でも私は別に子育てもしていないので、鬼のようにものすごい怒鳴り声をあげたりはしていない。
そりゃ、たまに大声でチェッカーズとかスピッツを歌ったりしちゃうけど、向かいの家のお兄ちゃんだって大声でBUMP OF CHICKEN歌ってたからここはイーブンだと思う。別にうちが鬼の棲家ってワケじゃない。

・・・お前はいつまで節分のつもりなのだ、と言いたくなるでしょうね、そうでしょうね。
私だって言いたい。
でも、私の節分が終わらないのだ。なぜなら、片づけても片づけても尚、我が家の玄関先に豆をまく人がいるため。
何故?一体誰が?何のために?

ここにも書いた通り、2月4日に帰宅した私を待ち受けていたのは20粒ばかりの豆だった。自分の豆は既に片づけた後ではあったが、こういうことに文句を言ってはいけないと思い、粛々と豆を片付けた。一粒残らず、だ。
しかし2月9日。やはり帰宅すると玄関先に豆が落ちている。今度は2粒だ。

・・・どういうことなの?
この建物に、私のブログを読んでいて、それが私だと知っている者がいるのか。昔のホームドラマで夫婦喧嘩後の奥様が泣きながら皿を割る如く、やり場のない怒りを豆に載せて我が家にまく者がいるのか。何かの嫌がらせなのか、それとも私の幸福を祈っての行為なのか。はたまた、我が家に鬼がいると思われているのか!確かに今年、豆はまかれたけれども。そんなに鬼の形相か、私は!

得意の妄想をぐるぐるとめぐらせながら、2粒の豆はまだ片づけずにいる。
片づけたらまた豆をまかれるのではないかと恐れているのだ。

・・・こんなに豆を恐れている時点で私は既に鬼だ。
そうか、我が家は鬼の棲家か。

鬼の棲家 第1巻 [VHS]

鬼の棲家 第1巻 [VHS]