何もかもみな

「地球か･･･何もかも皆なつかしい」というのは「宇宙戦艦ヤマト」の沖田艦長の名台詞。子供心にぐっときた。

宇宙戦艦ヤマト劇場版 沖田艦長の最期 / Captain Okita dies - YouTube

さて、11月も最早終わりではございますが、月初はワタクシ、生まれて初めてのハワイに行っていたのです。
子どもの頃からあちこちで誰もが「ハワイ行ったんだー」「えーいいなー？どこに泊まったのー？」「もう、日本に帰ってきてうんざりしちゃった。今すぐにでもハワイに戻りたーい」などと夢見心地で言うのを聞いてきたし、クイズの賞品もプロ野球球団の優勝旅行も、アスリートの自主トレも芸能人のお忍び旅行もみーーーんなハワイだったから、これはきっと、一度行ったら私も虜になってしまうだろう、一体どんな夢の島なのであろうか！！･･･と夢と期待を胸いっぱいに膨らませて乗り込んだ第一印象は「沖縄+米軍基地って感じ」ということ。すれ違う車も、トヨタ、ホンダ、マツダ、ニッサンと日本車ばかり。

ただ大きく違ったこと。それは物価。何もかもがみな高い。
そりゃあ円も下がった。出発直前になにもここまで下がらずとも！と嘆くほどに下がった。
でも、相場より何より元がお高いんですよ、このアイランドは！！

着いてすぐ、とりあえず入ったスタバではラテとマフィンで1000円近く取られる。
･･･ま、まあ、スタバって元々高いよね･･･と震え声で自分を納得させたけれど。

お土産用のホノルルクッキー。ハワイ版ちんすこうって感じだけどお値段は5倍以上。あな恐ろしや･･･何でできてるんだ、このクッキー。

マックならさすがにタカが知れてるだろう、と入ったものの、朝マックで8ドル77セント。1ドル114円の計算で999.78円。日本の朝マックだったら400円。
ねえなんで？別にサイズも大きい訳じゃないんだけど。ただただパイナポウがついてるだけなんだけど。

あまりの物価の違いにガタガタと震えながら私は思いました。
いったいどこの誰が「日本は物価が高い」なんてデマを流したんだ！流した奴出てこい！日本の物価はとても安いじゃないの！180円でカフェで座ってコーヒーが飲めるじゃないの！この素敵なアイランドにはそんなお店は見当たらなくてよ？

何もかもがみな高いこの島で無料だったのは、雀の餌付け体験。
マフィンを食べていると、まるで野良猫の如くわらわらと寄ってくる。そして手から直接食べてくれる。日本の雀に比べて警戒心が弱い気がする。

そして海の美しさ。さすがビーチリゾート。
･･･と写真を撮っていると、ボストンから来たのだと言う男性に声をかけられた。誰もが気楽な格好で行き来しているこのビーチで、ワンピースにハイヒール姿が奇異に映ったらしい。
「君はなんでそんな恰好をしているんだ。すぐさまそこのフォーエバー21でショートパンツを買ってこい。そしたらこのボードに乗せてあげるよ。楽しいぜ！！」

おお、さんきゅー。
ですがワタクシには今から、「弟のお嫁さんのご家族と、まだお互い顔も知らないというのに混雑したホテルロビーで待ち合わせをしてご飯を食べる、それも飛行機遅延により、弟夫婦抜き！」というハードモードなミッションが待ち受けているのだよ、すまんな。
･･･中止にしてくれると思ってたのに･･･お食事会･･･。

でもまあ、沈みゆく夕日の中、浮かび上がるヤシの木のシルエットに「おお、絵はがきのようだ」と思いつつ、和やかにご飯を頂くことができました。

帰りは8時間のフライト。
空港の登場ロビーでこれまた500円近くする水を購入する頃には、胸の内でサイモン＆ガーファンクルが盛大に「早く家へ帰りたい」を歌っていたけれど日本はあまりにも遠し。
ようやく九十九里浜が見えた時、ワタクシは沖田艦長のごとく、シートにぐったりと横たわって心の中で呟きました。
「日本か･･･何もかもみな懐かしい･･･」

･･･とか言っといて年末は調子に乗ってベトナムに行って参ります。
ベトナムだったら物価に泣かされたりはしないと思うんだ、うん。

早く家へ帰りたい