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90億の神の御名

この世界のほんの些細なこと

玉虫色の言葉

野球好きの集まる2ちゃんねるの掲示板「なんJ」で使われる言葉に「どん語、どんコメ」と呼ばれるものがある。
どんコメ - なんでも実況J Wiki*

阪神オリックス監督を務めたどんでんこと岡田彰布監督のコメント。どん語とも呼ばれる。
ユーモア溢れる独特の表現が人気で、なんJにおける定番文句になったものも多い。
「そう(トレードに)なればそう(出血覚悟に)なるやろ」などと当たり前のように主語も述語も省略するため、「どん語鑑定士」による通訳なしでは言ってる意味が分からないこともしばしば。
虎番・オリ番記者はどん語の補足が出来て初めて一人前といえよう。

【どん語】岡田「赤星、お前、きょうアレな」 赤星「はい?」(なんJには)与えられねーわ@なんJまとめ
岡田オリ、虎に毎回16安打9点/野球/デイリースポーツonline

岡田監督の話す「そら、去年からボールもこうなって」というコメントを「そら、去年からボールもこう(飛ばない統一球に)なって」とカッコ内を補足して読者に伝わるような文章にするのが番記者の仕事で、そうやって補足したって本人の意図とは全く違う捉えられ方をしてしまっている時だってある。

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口にする言葉、というのはいつもいつも順序立ててわかりやすく伝えられることばかりではないし、その場の雰囲気も含めての発言だから、聞く人の協力というのもどうしても必要なものだ。言葉はいつも玉虫色。会話は話す人と聞く人の双方の協力によって成り立つ。
だから岡田監督の「ボールもこうなって」「アレしたって」というのは、その場で実際に会話している人じゃないとなかなか理解が難しい。受け取る側が真意を汲まないと、ただただテープ起こしをしただけでは意味が伝わらない。

という事を考えると、例の森元首相の浅田選手に対する発言は、本当に悪口だったのか、受け取る側の会話の切り取り方や受け取る能力の不足はなかったのか、伝える側の悪意はなかったのか、話の前後はどうなっていたのか、憤る世間の片隅で少し不安に思っている。
ここ最近、受け取ってみんなに伝える側のマスコミの人たちは「カツカレー」とか「天ぷら」とか「不謹慎な発言」だとか、人の粗探しをしてヒステリックに周りを煽動しているようなイメージがあるので。

政治家は本当はそれじゃいけないが、森さんは過去の失言を振り返るにつけ、口下手でバカ正直で、かつ学習しない人な気がする。そしてスポーツ選手は大概、言葉が足りない気がする。芸能人は口が滑って余計なことを言って失敗する。
そういう人たちの言葉をうまくフォローして真意を汲んで伝える存在であるはずのマスコミはただの粗探しをして人に言いふらす「チクリ屋」になっている気がする。

浅田真央さんが会見、引退は「今のところ五分五分」 【会見全文】

人間なので失敗することはありますし。しょうがないとは思わないけれど、自分も失敗したくて失敗しているわけではないので、それはちょっと違うのかなと思ったんですけれど。森さんはそういう風に思ったのではないのかなと思いました。

これは、真央ちゃんの帰国会見の一問一答。何の手も加えていない、ただテープ起こしをしただけのものだと思う。
正直言って、これを読んでも何を言っているのかあまり意味がわからない。
でも、真央ちゃんの発言だから世の中はみんな頭の中で好意的に補足して解釈をするんだろう。
だけど、誰かが悪くとろうとすればとれるかもしれない、マスコミがおかしな切り取り方やおかしな解釈をして「真央激怒!」と煽れば、みんな「真央ちゃんが怒ってる」と思うかもしれない。

そんなめんどくさいことを、なんとなく考えている。
そして出来る限り、自分が見聞きしたもの以外のことに簡単に判断を下して腹をたてたりしないで生きていきたいと思う。